内容説明
第3回集英社ライトノベル新人賞優秀賞受賞!! フクシュウは、終わらない。 超巨大構造体<エデン>。この破壊不能な機械の迷宮の中で人々は生まれ、死んでいく。 かつて復讐に燃え、果たすこと叶わずに流浪の身となった元特殊部隊の青年・ノオト。あるとき彼は、<エデン>を徘徊する最悪の殺戮兵器“アフレイド”の中でも、絶対に出会ってはいけないとされる“封印少女”イドアリスと遭遇する。「人間になりたい」と告げ、強引に同行するイドアリス。 それを機に、彼の復讐は再び動き出す。仲間を襲った青白い髪のアフレイド“姫”がノオトの前に姿を現したとき、彼は機械を暗殺する“最強のなりそこない”へと立ち戻る!! 烈火のごとき殺戮プログラムに仕組まれた決戦が、今始まる――。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
磁石
17
復讐の果てに機械であろうとする少年と、愛を知るために人間になろうとする機械、どちらも不完全なハンパもの。どちらにもなりきれず与えられた命令を宿命と悟り、世界を破壊するしかなくなった、牢獄のような未来のない今を。……キャラとストーリーにはあまり惹かれるものはなかったが、世界観は面白かった。かつて地球にやってきた様々な宇宙人たちが、資源を食い尽くした挙げ句の果てにできたのがエデン、憎しみと怒りに満ちた巨大な監獄。そこに区画分けされて生活する人々は、その事実すら知らされてない。現実世界にも通じるものがある2016/10/03
HANA
9
元特殊部隊の青年と機械少女の話。全体的に読みやすさはあまり感じなかったけれど、内容と雰囲気が凄く良かった。複数巻になっていればもう少し細かいところまで話があったのでは、と思うとちょっと残念。2016/10/04
しぇん
9
一応SFなのかな。SFだけど読みやすいのはメリット兼デメリットなんですかね？人を襲う謎の機械が跋扈する上、唐突に扉に閉ざされて道が無くなってしまう謎の世界で復讐に生きてきた少年のボーイミーツ機械少女な物語。世界の秘密などわりと壮大な物語が語られている気がしますが、今一乗り切れなかったのは話の展開が早いからでしょうか？デビュー作なので単巻である程度纏めないといけないので仕方ないのでしょうが。無いと思いますが続きでたら買うと思います2016/07/25
真白優樹
9
破壊不能な機械の迷宮の中、元復讐者の青年が人間になりたい機械の少女と出会い始まる物語。―――復讐の中何望む、想いの果てに何望む？ 燻り続けていた青年の心は仲間の仇を前に再び燃え上るも、その心が本当に望んでいたのは絆ではなく。そしてそれに気付けた青年は機械の少女と共に仇、自らの果てしなく近くて遠い同類を撃破する。復讐者は果たして幸せになれるのか。復讐ではなく人間である事を望むようになった青年はこの先に進む機械の都で幸せを掴む事が出来るのか。その旅路の先に待つのは安息か、それとも戦いか。 次巻も楽しみである。2016/07/24
白義
7
閉鎖された機械の迷宮だけが人類の全生存圏となった世界。過去の憎しみと怒りのみを糧に生き長らえてきた主人公と機械の少女のボーイミーツガールというイメージから来る期待は裏切られなかったが、恐らく投稿作としてかなり壮大な設定と構想を一巻に詰め込もうとした感じが若干ある。でも殺戮機械たちを残した突端文明の正体はちょっと意表を突くものだったし、後半にかけて畳み掛けるような展開は迫力がある。大長編ゲームのOPステージ感があったのを、因縁の仇との出会いを機にストーリーを加速させてからどんどん良くなっていっていくのがいい2018/04/10
