天皇のイングリッシュ

著者名：保阪正康

廣済堂出版（2016/08発売）

• ISBN：9784331519912

内容説明

天皇陛下、戦後70年の物語 戦後いち早く民主主義に目覚めた少年は 皇統を守る“宿命の子だった 国民と共に憲法を遵守すると決意宣言し、誰にも増して強い意思で「平和主義」を唱え続ける今上天皇の真意はどこにあるのか。敗戦とともにやってきた米国人女性が次代の天皇にもたらした巨大な意味を、いま改めて問う。 今上天皇は終戦直後の少年時代、米国からやってきたヴァイニング夫人によって英語教育を受けた。それは米国流の民主主義を学ぶことをも意味していた。昭和史の第一人者・保阪正康が夫人によって持ち込まれた英語の副読本を解読し、昭和天皇から明仁天皇へと受けつがれた「平和主義」の意味を説く。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

[izumi]

天皇誕生日が近いせいか、本屋に天皇陛下関連の書籍が積まれていたので、思わず手に取りました。感想を書くこと自体が恐れ多いですが…。天皇陛下は民主主義をいち早く学び、体現してきた方なのですね。教育をする人たちも、今後の日本の姿を見据えたうえで計画を立てており、日本の中でも相当優秀な方々なのだなと思いました（いうまでもないですが）。マッカーサーとの対話やエリザベス女王の戴冠式での、十代にも関わらず物おじしない振る舞いに、帝王学の凄みを感じました。

2015/12/23

[月式]

平成の終わりに振り返る今上天皇の起源についての考察。昭和天皇が後悔と未来への希望を込めて皇太子の教育に米国人教師を招聘し、彼女を含めた知識人グループが「次代の天皇の在り方＝日本のかたち」について打った布石が、確かに花開いたと思える30年の御代であったと感慨深くななります。

2019/01/22

[梅干を食べながら散歩をするのが好き「寝物語」]

　今上天皇はキリスト教フレンド派の熱心な信徒であるヴァイニンク夫人から4年間英語教育を受けた。使われたテキストや副読本の内容と、天皇のこれまでの言動とを照合しつつ、どのような影響を受けたのかを分析することを試みている一冊。　著者は2015年のあとがきで「（夫人としては）学ぶべきことはそれぞれの社会の中にある庶民生活の素朴な姿、それこそが尊いのだと語りたかったのではないか」と締めくくっているが、天皇ご自身が2016年のお言葉において、それに近いことを語っていたことからも、著者の分析は非常に鋭いと感じた。

2016/12/02

[komplex]

★★☆☆☆

2017/11/12

[Kazuaki Tayama]

お正月、編集の武田さんへの敬意を込めて読ませて頂きました。武田さんといえばガルパンに朝青龍、そしてももクロの印象が強かったのですが…(笑)昭和天皇から今上天皇へ宛てた手紙には泣けてきました。そしてヴァイニング婦人の副読本は私も読んでみたくなりました(^^)

2016/01/02