内容説明
新宿歌舞伎町「日本駆け込み寺」代表、玄秀盛(げん・ひでもり)。彼はDV、虐待、借金、ストーカーなど深刻な問題を抱える相談者を3万人以上救ってきた。それも無償でだ。近年は出所者を雇用・支援する「駆け込み居酒屋」を始め、メディアを賑わせている。しかしこの強面(こわもて)の男はいったい何者なのか? なぜ人助けにすべてを捧げるのか? その秘密は玄の壮絶すぎる過去にあった――開高健ノンフィクション賞作家の出世作。『駆け込み寺の玄さん』改題。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
鉄之助
230
「加害者と被害者、両方をケアすることでしか争いの全体像は見えてこない」との意志で、「歌舞伎町駆け込み寺」を立ち上げた 玄盛秀のドキュメンタリー。この人がとにかく、面白いのだが、著者・佐々涼子の取材ぶりも好感が持てる。2025/06/24
マエダ
104
面白い。凄い男がいたものである。この自伝を読むと確かに大人の抱える悩みなど全て取るに足らないものと思えてくる。2016/10/12
鈴
54
読友さんご紹介。玄秀盛、とんでもない人だ。親の愛情をこうも与えられなかったら、人間強くなるんだなぁ。ぬくぬくと育ってきた自分は、だから弱いんだよなぁ~とか、やっぱり息子も弱く育つのかな~なんてくだらないことを考えつつ読んだ。彼は、最初から親の愛情を知らずにきたから、それを寂しいとすら感じないらしいが、子供って本能で親の愛を欲するものなんじゃないかな。だからなんだかんだと言いつつも実母に会いに行ったんだよね。2018/03/09
はつばあば
49
悪には悪をが正解なんです。いえね、前回読んだ「制裁女」でうけつけなかったのがここなんです。蒲公英のように絆を紡いでいく玄氏の力強さは貧しさから這い上がった者ならでは。それと時代も味方したのかも。まがい物のNPOも存在するなか、たった一度の人生でこれほどまで経験値の高い人はないだろう。どこかの大学教授のように何もかも甘やかしたような上辺だけの対応にどれだけの意味があるのか・・。あの教授の顔と表紙の顔を見比べれば、表紙の方が強面すぎて落ちるのだけど味わい深い。2019/02/16
さぜん
48
ノンフィクション作家としての原点である作品。新宿歌舞伎町の「日本駆け込み寺」代表、玄秀盛の生涯を駆け出しの佐々さんが手探りながらも取材し書き上げる。壮絶な過去を持ち、身体一つで這い上がってきた男の全貌は簡単には知ることはできない。想像を絶する生き方に驚愕し、恐れつつも知りたい欲求を止められない。追い詰められた多くの相談者がまた生きようとするのは何故か。「喪失と再生」が彼女のテーマとなり、再生しようと必死に生きる人が好きなのだという。佐々さんも最期まで懸命に生きたのだろう。もう作品が読めないのが寂しい。2024/12/24
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