内容説明
かつて女は闘った。平塚らいてう、田村俊子、岡本かの子、伊藤野枝、管野須賀子……。「青鞜」と大逆事件の時代、百年前の女性たちは因習に立ち向かい、烈しく恋と革命に生き、命を燃やし尽くして潔く美しい死を選んだ。翻って、現代を生きる女性は本当の自由を勝ち取ったのだろうか――。九十歳を迎えた著者が波乱万丈の己が人生と重ね、渾身の筆で描き出す百年の女性賛歌。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
優希
65
女性の地位が低く、因習に捕われていた時代の女性たちの生き方が強いと思いました。社会に立ち向かい、女性解放を目指した「青踏」の女性たちの戦いは、自分の気持ちに正直に生き、己を貫くことでした。他人にどう批判されようと愛と革命に情熱を傾け、潔い生涯を送ったのです。誰かを愛することに命をかけ、美しく散った女性たちの生き様に胸を打たれました。自分に悪びれず、臆せず情熱的に走ることは今の女性にはできないことだと思います。闘いながら、自分の信じる道を生き抜いた女性たちのような力は今では失われているのかもしれません。2015/02/23
GAKU
46
約百年程前、「青鞜」の時代の女性達、平塚らいてう、岡本かの子、伊藤野枝、管野須賀子らの生き様を瀬戸内寂聴さんが書いた1冊。古い因習にとらわれた男尊女卑の時代、彼女達のエキセントリックな生き方に非常に感嘆しました。特に興味を持っていた伊藤野枝の、「フリーラブ」を唱える大杉栄とのダブル不倫、四角関係。28歳という若さで、大杉栄と共に憲兵に連れ去られ、その日のうちに憲兵隊構内で扼殺されて死亡。二人の遺体は、畳表で巻かれ、古井戸に投げ捨てられたという甘粕事件。まさしく烈しい生でした。2016/05/18
喪中の雨巫女。
17
《私-図書館》青鞜にまつわる人たちの寂聴さんのエッセイ。その人たちを描いた作品読みたい。その中で、母が、薦めてくれた「かの子撩乱」読みたくなりました。2022/11/29
マシュ
6
瀬戸内寂聴さん初読み。なんとなく手に取ったこちらの本、エッセイテイストで面白かった。大正の女性たちはすごかったな。平塚らいてう、岡本かの子、伊藤野枝、管野須賀子らを寂聴さん視点で書いてあったので、彼女達の伝記をざっくばらんに寂聴さんが語ってくれているようで面白かった。正直名前を聞いたことがある女性が2名ほどで、そんな彼女達の『烈しい生』を謳歌する様に驚いた。現代は情報が溢れすぎてるけど、受け取る側の器は平たい大皿のような浅い人生になってしまっている気がしないでもないなぁと感じつつ読了。2023/06/16
月乃雫
6
女性の地位が低かった時代、因習に立ち向かい、自分の気持ちに正直に生き、世の人々から批判されようが、愛を貫き通した女性たち。 ただただ純粋に、相手を愛することに命をかけた、潔い彼女たちの生き方に感銘を受ける。2015/02/17