内容説明
なぜ、安倍内閣も野党もダメなのか? 「老人翼賛政治」がもたらす歴史的悲劇。2016年7月の参議院選挙では、自民・公明の与党が過半数を大きく上回り、「改憲勢力」で3分の2を超える戦後初めての状況になった。しかし、「アベノミクス」の下、成長率はゼロに近づき、政府債務は1100兆円を超えた。しかも高齢化はさらに急速に進み、このままでは2030年代には医療・介護などの赤字を含めて、社会保障会計は大幅な債務超過になりかねない。にもかかわらず、安倍内閣はポピュリズム政治を繰り広げ、野党は「民共共闘」などという失策を重ねるばかり。さらに、選挙で高齢者の票を取りこぼすわけにはいかないので、与野党とも社会保障制度改革には及び腰。かくて、何もできぬまま国家破綻の危機が間近に迫りつつある。どうして、こんな政治になってしまっているのか。戦後政治史を追って、日本の「無責任の体制」の根源を衝き、政治システムの欠陥を明らかにする意欲作。目次より●プロローグ:世界に広がるポピュリズム●第1章:老人の老人による老人のための政治●第2章:六〇年安保で失われた政策論争●第3章:社会党という無責任政党●第4章:田中角栄の生んだバラマキ福祉●第5章:小沢一郎がつくって壊した日本の政治●第6章:小泉政権「官邸主導」の革命●第7章:民主党政権の「政治主導」はなぜ失敗したか●第8章:「安倍一強」はいつまで続くのか●第9章:成長経済から成熟経済へ●エピローグ:もし小泉進次郎が首相になったら
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
りょうみや
4
戦後の政治史のよいまとめ。自民党(≒日本の政治家)が一貫して多数派に心地よい政策を積み重ねて、痛みを伴う改革はひたすら先送りしてきたことが改めてよくわかる。本当に小泉進次郎氏に期待するしかないかもしれない。2016/09/17
ナポリノロク
2
あまりこの人も盲信はできないのだが、大まかな戦後政治史のぶっちゃけ話を読んでみたくて読んでみた。読んだので登録。2022/01/03
星辺気楽
2
老人支配というのには、違和感がある。以前の老人ならともかく現代の熟年の自民党支持者は以前より低い。それより若者に自民党支持者が多くなっていることが一番の問題。著者には政権側のにおいがした。2016/10/23
Keiji Fujii
1
安倍元首相の死は悔やまれる。2024/01/14
ソウ
1
初めてこの人の本を読んだ。原発推進は賛同できないが、それ以外はオモロく読んだ。戦後政治史は事実かどうかは別として勉強になった。2016/09/29