なぜ会津は希代の雄藩になったか - 名家老・田中玄宰の挑戦

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なぜ会津は希代の雄藩になったか - 名家老・田中玄宰の挑戦

  • 著者名:中村彰彦
  • 価格 ¥999(本体¥909)
  • PHP研究所(2016/08発売)
  • ポイント 9pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784569826790

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内容説明

藩窮乏の危機から一大飛躍! 上杉鷹山を凌駕する改革者がいた。幕末維新期、なぜ会津藩はあれほどの光芒を放つことができたのか? それを可能にしたものこそ、名家老・田中玄宰の藩政改革であった。寛政期(江戸時代中期)、相つぐ飢饉で、日本全国が危機に陥った。上杉鷹山率いる米沢藩、松平定信が率いる白河藩をはじめ各藩は必死に改革に取り組んだが、そのなかで、もっとも成功した藩こそ、田中玄宰のいた会津藩だったのである。松平定信が白河藩の家老たちを訓戒した言葉が今に伝わる。いわく、「その方ら、会津の田中三郎兵衛(玄宰)に笑われぬようにせよ」。田中玄宰は、会津松平家初代の名君・保科正之の政治手法を深く学び、荒廃する農村を社会保障策で救い、57万両にも及んだ借金を産業振興と倹約によってほぼ完済し、藩校日新館を建てて会津武士道を確立し、軍制改革で有事即応力を劇的に高め、さらにはロシア撃退のために樺太にまで出兵している。しかも、藩の公費をすべて元本の返済に充てるとしても完済に20年以上かかる莫大な借金を抱えながら、農民たちを収奪することなく、暮らしやすい政治を行なって人口を増やし、共存共栄の社会をつくったのである。緻密な分析で驚きの手腕を解き明かす、感動の評伝。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

り こ む ん

47
幕末読書から、松平容保、会津藩が気になり…保科正之が気になり、保科正之から田中正玄に、そこから田中玄宰にたどり着いた遡り、下りしたいもずる式読書。歴史の面白さ、歴史の繋がりの深さを感じずにはいられない。以前、 「会津武士道」でも書いたけれど、会津藩の誠実さ真っ直ぐさは、今に求められる道徳。そして、保科正之&田中正玄。田中玄宰の姿は、今に求められる政治家の姿なのではないかと…人々がついてくるリーダーとは?人々が協力したいリーダーとは?この人達の事ではないか?と強く感じる。2017/01/29

AICHAN

36
図書館本。生活保護に年金に新生児養育費に救急医療制度。今の時代では当たり前のことが多いが、これが江戸時代のある藩で行われていたとしたら驚く人が多いだろう。それは会津松平家である。江戸期には多くの飢饉があって特に北国の藩は大被害を受けた。天明の大飢饉で弘前藩の場合、8万人以上の餓死者を出したが会津藩では2601人で済んだ。冒頭の福祉・医療制度のおかげだ。会津松平家の始祖・保科正之は人道主義に徹する政治を行い、武家(政治家・官僚)と百姓と町人とが安心して生きられる国づくりを子孫に示した。2016/10/30

メルル

29
「ならぬものはならぬのです」この標語は聞いたことがある。本当にその通りだと思った。これは会津の改革者、田中玄宰なる人物の功績を綴ったもの。初めて知る人物ですが、素晴らしいリーダーシップと先見の明を持ち合わせた人。地場産業の育成は今でも受け継がれていて感慨深い。財政再建を成し遂げた功績は本当に凄いと思う。でもやはり保科正之の偉大さに目が奪われてしまう。この人物を知るために著者の小説「花ならば花咲かん」を読んでみたいと思う。2016/10/03

金吾

19
現代の施策と変わらない話を江戸時代にやるのはすごいです。教育改革の話は面白く、また組織を強くするには教育は重要だなと感じました。2021/05/09

スプリント

13
江戸時代の初期から中期、後期すべてで存在感を放っている会津藩ですが名宰相田中玄宰については詳しく知りませんでした。本書は時代背景から田中玄宰の生涯までわかりやすくまとまっていて読みやすかったです。2019/10/27

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