内容説明
日露戦争時、実はロシアと清国は「露清密約」を結んでおり、“連合軍”として日本と戦ったのであるが、このことは日本人には教えられていない。終戦の調停役であったアメリカも、当然オトボケで条約を結ばせたため、グルだった。これが知られていれば日本は清国に賠償を要求できたのだ。この一事でも分かるとおり、満洲国建国をめぐって、日本が国際連盟脱退に至る歴史は、一般的解釈とされている「日本の侵略」ではなく、清国利権を狙う、アメリカを始めとする欧米列強の謀略であり、国際的な「日本イジメ」だったのである。本書では、アメリカのジャーナリストであり、満洲国の顧問を務めていた著者が、列強の言動のあまりの理不尽さに憤慨し書き残した、「満洲国をめぐる真実」である。特に、著者は、「アメリカの意図はどこにあるのか」を厳しく追及している。アメリカ政府が日本人に最も読まれたくないであろう歴史の証言を、詳密に新訳した一冊である。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Honey
4
後半はすっ飛ばして一旦読了。不勉強のせいか、読むのにやや骨が折れましたが、大変貴重な資料ということは実感。 日本は無実、どころか、唯一いつもルールを守ってより公正な世界を目指していたのだと、目から鱗。 80年前にこんなに大事な事が書かれていたのに… 現在も相変わらず、明白な史実が無視され、特定の勢力の主張する捏造史が広まってしまうという現実とともに、大変苦々しく思われます。 が、決してあきらめることなく、繰り返し事実を記録し掘り起こし、世の中に、先の世に伝えていく努力が必要なのだと、改めて強く感じました。2016/10/13
田山河雄
1
今読み終わったばかりで何だか興奮しきりですが、でも、やはり気持ちが揺れて困る。困るがうれしい困りであり泣き出しちゃうかもしれない困りです。戦後70年を超えて、戦後体制がほころび始めた(トランプ大統領の登場)この時期にこの書籍に出会えたのは、最高のタイミングだったように思います。1934(昭9)年当時のアメリカ人でさえも、「米国はいったい極東で何を求めているのか?」、9カ国条約の偽善性や「米国民の人道主義的関心が帝国主義的意図を隠す大義名分に過ぎない」と喝破し、米国民に訴えていたことに感涙を覚えるばかりです2018/07/23
寅次郎
0
まぁ、日本人に言わせると至極真っ当な文章ではあるが、かの国たちの人にはどう映るか?しかし、昔も今もイエローはやはり白人からは嫌われる?2018/05/13