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内容説明
自らが属する組織が不正に手を染めているのを知った時、あなたならどうするか。オリンパス事件の第一通報者と、それをスクープした記者が現代における内部告発の意味を問う。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kanaoka 56
7
粉飾決算は経営者が主導するのであるが、その周囲にいる多くの従業員を取り込んで行われる。彼らの多くが、サラリーマンだから従うしかないじゃないか、原因は経営者のみが負うべきものと自らに言い訳をしながら積極的に関与していく。逆に報われなかった者は愛憎相半ばするが如く、個人利益を捨ててまで情念をもって内部告発に及ぶという日本的内部告発の図式もある。日本の粉飾を無くすには、空気に合わせる甘い姿勢を許さない厳格さ、従業員を含めた関与者全てに民事・刑事の相応の罪を負わせる法整備であろう。2016/06/03
Kazuo Ebihara
2
深町隆は、オリンパス不正の第一内部通報者。 山口義正は、元日経新聞の記者で、 この案件を雑誌『ファクタ』に初めて書き、 ウッドフォードによる告発に繋げた。 本書では、前半で内部告発の事例から見える通報者リスクや課題を、 後半でオリンパス不正が、表に出るまでの経緯を著した。 いや別に、内部告発するような ネタ持ってませんから。オレ、パス。 2016/09/05
プレミアムモルツ
2
、内部告発を弁護士等が体系的に紹介した本は結構あるが、内部告発者と内部告発を受け止めたジャーナリストによる共著は異色だ。内部告発者の苦悩や勇気を出しての告発がほとんどが報われることがない実態がよく分かる。また内部告発に対するマスコミ側の内部事情も興味深かった。個人的にはさらに、内部告発を受けた担当者や取締役、さらには内部監査部門や監査役等の対応や本音も知りたいと思った。2016/06/29
sura_jiro
2
内部告発をする側のリスクの話が前半で、オリンパスの事件とその後の話が後半となります。オリンパス事件に詳しい方は既知のことが多いと思いますが、内部告発とはどのようなことなのか、改めて考える際の参考となるのではないでしょうか。2016/07/18
Go Extreme
1
内部告発をめぐる現在: 何が告発に駆り立てるのか 止まらない連鎖 社会の中で変わる位置づけ いかに告発するか─成功と失敗を分かつ条件 オリンパス事件の真相: なぜ粉飾決算に走ったか 不正に気づいた経緯 ジャイラスの買収 2009年委員会と監査法人解任 尾瀬の密会 「飛ばし」の最終処理 長期の損失隠しを可能とした背景 月刊誌ファクタの追及 見せかけの経営刷新と改革 総括: 社会と乖離するオリンパスの「常識」 真の再生への処方箋 求められる説明責任2022/06/30