愉しき夜

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愉しき夜

  • ISBN:9784582837308

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内容説明

フランスのペロー、ドイツのグリムへと繋がるヨーロッパの昔話文学の源流に位置する古典の初訳。「長靴をはいた猫」「シンデレラ」「眠り姫」の類話を収めたバジーレの先駆となるイタリアの短篇特語集。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

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24
1550年ヴェネツィアで好評博した短編物語集(全26篇/74篇中)を訳したアンソロジー。政争に迫害を逃れてきた司教とその娘(未亡人)がヴェネツィアはムラーノ島に館を構えた。そして美しい侍女、貴婦人紳士、学者達が集まり歌や踊り演奏、歓談が行われる。彼らがカーニバルの十三夜の間に各々1話の語りべとなり世俗的な稽話や艶笑話、恋愛や愚弄の物語といったバラエティー豊かな話を披露するという枠物語の形式をもつ。本書では一部の昔風の物語を中心に翻訳掲載。フランスの『ペロー童話』が17世紀末であり更にくだって→2022/09/02

ちぇしゃ

15
これも猫本読書会より。ヨーロッパ最古の民話集であり、その後ペローやグリムなどに大きな影響を与えた民話集からのアンソロジー。最初気付かず物語に割り振られてる番号が抜けてておかしいと思ったw読んでみて思うのは、民話の影響力の大きさ。現存してる童話との類型であったり、そこから生まれたオペラやバレエの物語やファンタジー、それらが今の映像文化、映画ドラマはもちろん、ゲームやアニメの中にも脈々と生きてる。パブリックドメインというのもあると思うけど、物語の力と生命力を感じるにはうってつけの本です。→コメント欄に続く2019/05/27

鳩羽

12
ルネサンス期のイタリアで書かれた物語集。本当ならボッカチオのような枠物語らしいが、昔話風のものを厳選して編んであるので、世俗的な享楽をなんとなく感じさせる物語集という感じにまとまっている。時代や国も具体的で、登場人物はたいして重要じゃなくてもしっかり名前があり、その性格や美質もきちんと説明されることが多い。話も二転三転し、関係なさそうな人が死んだり、さっきまで仲良しだった家族がその後の展開で命を狙ってきたりと、なかなか波乱万丈だった。グリムやペローとの類話もあり、型は知っているけど知らない話のようだった2017/03/03

belle

10
少し前に読んだグリム童話選がやや物足りなかったので、以前から気になっていたこちらを図書館で借りた。解題で作者と作品について訳者の詳しい説明がある。体から美しい宝玉が零れ落ちる娘あれば、あっさりと火に投げ入れられる親兄弟もあった。幸も不幸もより直截に感じた。カルヴィーノ編の「イタリア民話集」好きとしては、16世紀にヴェネツィアで出版された本書を大いに愉しんだ。夜毎に。2021/03/15

Christena

8
ヨーロッパ最古の昔話集。昔話には典型的な「型」があり、どこかで読んだような、日本昔話にもあるような、不思議と懐かしい感じがしました。ただし、ヨーロッパは残酷で容赦ない。先が読める素朴なストーリーなのに、なんだかクセになる、そんな物語集でした。2016/09/12

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