殺人出産

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殺人出産

  • 著者名:村田沙耶香【著】
  • 価格 ¥660(本体¥600)
  • 講談社(2016/08発売)
  • ポイント 6pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784062934770

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内容説明

「産み人」となり、10人産めば、1人殺してもいい──。そんな「殺人出産制度」が認められた世界では、「産み人」は命を作る尊い存在として崇められていた。育子の職場でも、またひとり「産み人」となり、人々の賞賛を浴びていた。素晴らしい行為をたたえながらも、どこか複雑な思いを抱く育子。それは、彼女が抱える、人には言えないある秘密のせいなのかもしれない……。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

ヴェネツィア

995
村田沙耶香は、小説を仮構することで我々読者を揺さぶってくる。この小説も、現実世界との間には僅かなズレがあるだけだ。もっとも、それが僅かであることが一層の違和を生むのだろう。出産や死といった、本来は人間の摂理、あるいは神の領域に属するものを、社会が管理・統制することに我々は本能的に強い嫌悪感と生理的なまでの拒絶感を持つのではないだろうか。今回の彼女の小説としての実験はひとえにこの点にこそかかっていた。そして、それは成功しているように思われる。我々読者は奇妙な疎外感に見舞われ、世界の外に投げ出されるのだ。2017/12/09

青乃108号

539
「異次元の少子化対策」などとぶち上げておいて、蓋を開けてみりゃ、なんじゃこりゃ、な、たわけた現政府も少しは参考にすれば良い。と言うか作中何度も登場する昆虫食は実際、真剣に論じられ始めてるし、あながち「殺人出産制度」も絵空事ではない時代がそこまで来てるのかも知れない。作品としては各場面の切り替えの文章が極めて映像的で美しく、とりわけクライマックスの殺人場面の白と血の赤の色彩の対比、最後に出てくる蝉の死骸が強烈に印象に残る。他短編3編が収録されているが「殺人出産」のインパクトが強すぎてあまり記憶に残らず。2024/04/28

absinthe

484
面白い。短編集だが印象に残ったのは表題作。いろんなことを考えさせられる。こんなことはありえない、という合理的な頭がぐるぐる動いて、何とか平衡を保とうとする間に、垣根の向こう側に引きずりこまれてしまう感じ。こんなことはありえないと思いつつ、納得している自分もいる。生きているのは個ではなく人類という種であり、人はその細胞に過ぎないという視点で考えると、行われていることは誤っているとはいえない。表題作以外も秀逸。2019/08/16

ゆきねこ

296
性と生をテーマにした仰天小説。帯には、衝撃作と書かれています。「コンビニ人間」を読んだ時は、サバサバした現代社会を巧みに切り取った秀作だと感じましたが、これらの作品にはびっくりしました。後味は決して良くありません。SFみたいな作品。はっきり、SFです。殺人出産が現実となったら、少子化は解消するのでしょうか。そんな法案が可決されるわけありませんが、殺人衝動や、出産が過重な負担になっていることについては納得できました。現実、子育てにはお金がかかりすぎます。2018/04/06

nanako

290
本作のアナザーストーリーが「消滅世界」なんですね。どちらからでもいいので、続けて読むことをおすすめします。「授乳」もすごい!けど、「殺人出産」も凄い!です。2016/08/27

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