内容説明
辞令がなければ、函館に戻るつもりなどなかった。刑事・田原稔は、函館西署着任の前日、殺人事件発生の報を受ける。被害者は、かつて愛情をかわした女、水野恵美だった。反故にされた約束。忘れたことはない。忘れられるはずがない。この事件に関わることは、二十年前に彼が故郷を捨てざるを得なかった、ある事情を追うのと同じこと。田原は黙々と捜査を続けていく。警察小説の傑作!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
やも
78
刑事として対面した殺された遺体は、初恋の君だった。犯人は誰だ?って話だけど、怪しい奴すぐ分かっちゃったよ。復讐劇としてもなーんかピンと来ず。もう吹っ切れて幸せになりんさい、早く幸せにしたり、あんたの役目やで。あんたにしか出来んのやで。日陰でもいいってあの子は言うはずや。って、酒場の女将の説教気分で読了。2024/11/12
ALATA
68
「あの海のことを知っているのかもしれない」函館の海は晴れていてもGLAY …。久々の星周さん、期待にたがわずダークな警察小説でした。二十年前に故郷を棄て、愛情を交わした女を棄てた田原警部。函館西署着任早々殺人事件が起きる、被害者はかつての恋人と図らずも運命と権力の波に浚われていく。地名に覚えがあり、堪能させていただきました★4※ちょっと気になったことが。味噌バターラーメン、地元ではあまり見かけない。やはり函館は「塩」でしょうかね。2024/07/09
菜穂子
61
赴任先での最初の事件は、かつて愛した人の死亡事件。函館の街を舞台に兄妹と共にすごした若かりし頃の田原 稔の苦悩と結びついて事件は謎が謎を呼ぶ。警察とヤクザと言えば最近は柚月さんをすぐに思い浮かべていたけれど、一途な男女の閉ざされた思いを解き明かすように捜査は進む。読み応えがありました。2020/10/11
巨峰
59
読みごたえはあった。知り合いだらけの地方都市の閉そく感なんて、想像しかできないけど息苦しい。でも、ほとぼりが冷めたら連絡とりあったらよかったんちゃうの?登場人物は端役までキャラが立っているのが良いです。2021/02/05
shiozy
27
馳星周といえば、ハードボイルドである。ハードボイルドといえば、テンポいい活劇である。しかし、本書はイマイチテンポに乗れない。「どうした馳星周」とツッコミを入れたくなるだろう。殺人事件を追う刑事の今と過去を交互に語っていくのだが、正直、中だるみである。500頁近い長編ではなく、300頁程度でまとめたほうが良かったような気がするのだ。デビュー作『不夜城』のあの興奮よもう一度、である。2016/08/20
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