内容説明
なぜ男性の「家庭進出」が進まないのか。著者は「これまでのイクメンブームの盛り上げ方に短絡的な部分があったと認めざるを得ないのではないか」と問いかける。ではどうしたらいいのか。仕事と家庭の板挟みに悩む父親たちの本音、彼らに殺意さえ覚えるという妻たちの本音、理想ばかりを言っていられない会社側の本音、そして冷徹に世相を物語る数々のデータからヒントを見い出す。●自らブラック企業化する父親たち●ワーク・ライフ・バランスという名のマッチョイズム●「世間の風潮」と「目の前の妻」の価値観のズレ●「昭和の亡霊」にとりつかれた夫婦●妻の殺意にも気づかずベタベタしてくる夫●女性というパワハラ?●「同時多発育休」で「育休倒産」?●ジレンマから抜け出すための8つの心得 etc.※以下、本書「第1章 自らブラック企業化する父親たち」より抜粋 「産後クライシス」「家事ハラ」。いずれも夫婦間の対立が社会現象化したものだ。「結局男と女どちらが悪いのか」という社会的論争に発展した。しかしこの論争は不毛だ。どちらが悪いわけでもない。どちらもキャパオーバーなのだ。よほどサボっていた会社員でもない限り、それ以上業務の効率化などできるはずがなかった。そこでさらに「家族時間を捻出しろ」というのは、絞りきった雑巾をさらに万力にかけ、最後の1滴を絞り出すようなものだ。下手をすれば雑巾が破れてしまう。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ふろんた2.0
17
みんな大変だなと思う一方で、「いやいや俺のほうが大変だぜ」と自慢したくなっちゃうのも問題だな。2016/10/07
highsax @ シンガポール
11
★★★★☆ 友達に借りた本。斜め読みで読了。「育休世代のジレンマ」のアンサーソングのようだった。制度が社会構造を作るのではなくて、社会構造があるから制度が作られるという言葉に共感。自分でどういう働き方をしたいかを選択できる時代に入っているということだろう。確かに携帯とパソコンがあれば世の中の殆どの事務仕事はできる。大事なのは、自分で働き方を提案するか。 第5章は全体のまとめになっていて、共感できる点が多い。かっこつけず、我慢せず、パートナーと話し合う事が大事なんだろう。それが難しいんだけどね。2016/09/19
たか
11
男性、女性の役割分担を明確にするのではなく、仕事も家事も育児も話し合いながら、協力することが大事。何かをやるならば、他を捨てるなどの取捨選択も大事だと思う。2016/06/21
RYOyan
9
夫、妻、会社の本音を語らせてから提言というスタイルがわかりやすくて納得のいくものだった。世の中、かけ声ばかりが飛び交っているけど、現実は複雑で立場や環境で必要な方策は変わってくる。変化はジワジワと足元から起きてくるわけで、否応無く夫婦関係も社会環境も変わっていくだろう。2018/04/01
Humbaba
9
子どものことを思う親の気持ちが、必ずしも家族に伝わる保証はない。それどころか、心ならずも誤解されて伝わってしまう事も多い。互いに自分お気持ちをわかってほしいという思いを持ちながら、このくらいなら言わなくても通じるはずであると信じて口に出さない。そのような甘えが、関係を悪化させてしまうことに繋がる。2017/07/10
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