交通新聞社新書<br> 「清張」を乗る - 昭和30年代の鉄道シーンを探して

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交通新聞社新書
「清張」を乗る - 昭和30年代の鉄道シーンを探して

  • 著者名:岡村直樹
  • 価格 ¥770(本体¥700)
  • 交通新聞社(2016/08発売)
  • ポイント 7pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784330111094

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内容説明

日本における社会派推理小説の先駆けとなったベストセラー『点と線』が発表されたのが昭和32年から33年にかけて。その昭和33年は、現在の天皇・皇后両陛下のご婚約が発表されるなど、昭和史にとってエポックメーキングな年であった。また、高度経済成長のさまざまな明暗が現れはじめた年でもあった。本書は、当時の世相を反映した松本清張作品から、鉄道シーンを一挙に再読する試み。

岡村 直樹(おかむらなおき)
昭和23年東京生まれ。慶応義塾大学卒。ローカル紙記者などを経て旅行作家に。日本旅行作家協会会員。川の旅人。文学、歌謡、映画、民俗、歴史、絵画などの方面から川にアプローチして21年。全国109の一級水系すべてを踏破。現在は二級水系を歩いている。平成21年1月、弘文堂から講演集『自然と神道文化―海・山・川』(共著)を上梓。時代小説に描かれている旅のスタイルに注目した『旅する時代小説』も執筆中。おもな著書は『切り絵利根川の旅』『川の歳時記』『寅さん人生の伝言』『とっておきの里祭り』ほか。

※電子書籍の仕様による紙版と異なる図版・表・写真の移動、本文中の参照指示の変更、ほか一部修正・訂正を行っている箇所があります。予めご了承ください。

目次

第1章 小説に探る鉄道風俗
 『点と線』『ゼロの焦点』『張込み』『けものみち』『黄色い風土』『死の発送』
第2章 鉄路の果てに人生の岐路
 『眼の壁』『黒い樹海』『砂の器』『屈折回路』『山峡の章』
第3章 東京の郊外電車、西へ
 『不安な演奏』『蒼い描点』『父系の指』『青のある断層』
資料編 路線別作品一覧/鉄道・初出誌(紙)年表

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

つちのこ

42
今でいう聖地巡礼などという言葉はなかったが、その昔に〈出雲三成の駅から四キロも行くと、亀嵩の駅になる〉という一節に誘われて、島根県のJR木次線亀嵩駅を訪ねたことがあった。清張の『砂の器』である。そば屋が併設された小さな駅舎には、映画ロケのスチール写真が貼られていた。旅情を促す清張の鉄道描写は、ミステリの単なる仕掛けや伏線にとどまらず、そのものが主軸になっている。昭和30年代という、貧しくも活気に溢れたセピア色のあの時代を鉄道という巨大産業が象徴しているように思う。それは、人々が交差する駅であり、列車で⇒2025/03/10

へくとぱすかる

23
松本清張のミステリには列車が多く登場する。ただしそれは華やかな列車と言うよりは、苦労を重ねた人間のドラマを乗せた、汗と血のにおい(なにしろミステリだから)のある列車なのだろう。初めて読んだ著者だが、よほどの清張ファンなのだろう。記憶がある作品は、『点と線』『時間の習俗』『砂の器』ぐらいだけれど、それを抜きにしても、昭和30年代の列車にはドラマが満載だったのだという気がしてくる。それはもしかしたら、時代が変わる歴史的現場だったのかもしれない。2014/11/28

インテリ金ちゃん

3
昭和中期の鉄道シーンが満載。鉄道の全盛期=衰退の始まり。清張のミステリーも読んだが鉄道に着目して読んだことはなかったなあ。2021/11/21

2
http://naym1.cocolog-nifty.com/tetsuya/2010/01/post-29b2-1.html2017/03/22

midnightbluesky

2
「鉄」分70%、「清張」作用30%という感じ。2010/03/09

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