内容説明
いじめから、ひきこもりとなった二十四歳の麻生人生(あそうじんせい)。頼りだった母が突然いなくなった。残されていたのは、年賀状の束。その中に一枚だけ記憶にある名前があった。「もう一度会えますように。私の命が、あるうちに」マーサばあちゃんから? 人生は四年ぶりに外へ! 祖母のいる蓼科(たてしな)へ向かうと、予想を覆す状況が待っていた──。人の温もりにふれ、米づくりから、大きく人生が変わっていく。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
しんごろ
728
コメ作りをきっかけに、引きこもりから再生し成長していく話!DASH村を思い出します。グイグイ引きこまれ、途中からやっぱり涙腺崩壊(ToT)人の温かさ、優しさ、支えのありがたみを感じました。だけど優しさに甘えちゃいけない。どこに行っても志乃さんみたいな人はいるとは限らない。自分を磨いて鍛えて、しっかりしないとね。そして、農家の大変さを学んだ作品でもあります。僕らはみんな生きている~♪生きているから歌うんだ~♪と、歌ってる自分がいる。そしておにぎりを食べる自分がいる。でも梅干しは、苦手なんだよなあ(笑)2017/06/08
mura_ユル活動
580
米という有形のものを作っていく過程で、かけがえのない無形の財産から『生きる力』を得ていく。経済優先でばらばらになった大家族や地域のネットワーク。今は何て生きづらい世の中なのだと思う。マーサおばあちゃんも人に与えているだけでなく、孫2人から生きる力をもらっている。人生(主人公の名)があることから苦手になった梅干しを入れたおにぎりを『おいしい』と食べた瞬間、電車内でやばかった。蓼科、ひきこもり、認知症、味噌汁、東山魁夷。2017/01/11
さてさて
555
『一生けんめいに、何かひとつのことに打ちこむ人間は、こんなふうに輝く』という人生が歩み出した道。『ぼくらは、みんな、生きているんだ。生きることをやめない力を持っているんだ』というすべての生き物が持つ力。そう、私たちは力強く生きることができる。あきらめさえしなければ、どんな状況にあってもきっと再び立ち上がることができる。『「自分の力」を信じてー自分自身に』。そう、そして、未来へ。 「生きるぼくら」、それは人が持つ、そして自然が持つ生命力の圧倒的な強さを再確認させてくれる、そんな作品でした。 2020/11/17
けいご
530
毎日の生活の中で「生きる意味ってなんなんだろう?」ってふと思う瞬間があると思うんだけど、そう言う気持ちをお米で優しくも厳しく包んでおにぎりにして食べちゃう様な一冊でした★読了後に「自分は自分らしく生きているだろうか?自信ないよwでも感謝の気持ちを忘れずに目の前の事に地道でも一生懸命に生きていこう!」と言う気持ちになりました★そして今晩のお米を美味しく頂こうと思いますw優しい気持ちになれる事って生きていく上で大切な事だな〜。当たり前の事なんだろうけどねw2020/10/04
yoshida
441
人間の再生を描きながらも、現代の日本の持つ問題にも切り込んだ良書。現代における様々な問題。いじめ、ひきこもり、認知症、介護、独居老人、職業への意識等。ひきこもりの青年が東京から蓼科に移り、働きながら農業に携わり再生する姿を軸としつつ、先に挙げた様々な問題へ切り込む。その中で当たり前のように感じて見逃しがちな様々な優しさに気付かされる。人は一人では生きていけないし、沢山の人の優しさや愛情で皆が生きている事に改めて思い至るのだ。青年への言葉は、私達の心に真っ直ぐに届く。原田マハさんの素晴らしいオリジナル作品。2018/02/21
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