内容説明
72時間の《デッドタイム》――これが地表遙か上空に生きる樹層都市の人間に定められた命の残量だ。全人類に等しく課せられた絶命へのカウントダウンを断ち、72時間までリセットする唯一の方法――それは《生命樹》から生まれる《罪獣(グリム)》を倒し、その骸に生る“禁断の果実”を口にすること。ただそれだけだった。デッドタイムの急激な消費と引き換えに、特殊スキルを発動させるデバイス《罪匣》を操り、禁断の果実を収穫する者たち《罪獣狩り(グリムリーパー)》。その一人である如月キサキは、妹のユイハ、相棒のロウナと共に罪獣の領域へ踏み入る。そこで彼らが出会ったのは、命の残量が無限の少女で――。それは人類の悲願“72時間の呪いからの解放”を目指す、恐るべき陰謀の幕開けだった。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
まりも
31
《世界同時深緑化》により世界は滅び、人類は天地を貫く都市《生命樹》に住む事を余儀なくされた時代を舞台にした物語。うーん、今の段階だとイマイチですかね。作品の設定はかなり作り込まれていたし、物語への惹き込み方も非常に良く出来ていたけど、何かが足りない感じがしました。階級化社会、キサキとユウハ兄妹の問題や謎の多い少女・マリアの存在等々、シリーズ化していけば面白くなりそうな要素は沢山あったので、今後に期待出来そうなのが良い所でしょうか。今回は兄妹問題に焦点を当てていたし、次巻は大きな盛り上がりを見せてほしいな。2016/07/10
よっち
29
同時深緑化によって人類が都市「生命樹」に住み、生きるために罪獣を狩る世界。罪獣狩りの如月キサキが罪獣の領域で謎の少女と出会い、その生命樹を巡る謎に巻き込まれてゆく物語。キサキと実妹・ユイハの微妙な距離感、特殊な事情を抱えていそうな記憶喪失の少女・アリス、そしてキサキがユイハと仲違いするきっかけとなった事件。これから面白くなりそうな雰囲気はあって、今回でいくつかのエピソードがひとつに繋り、ようやく物語としての方向性が見えてきたかなという印象。実妹と謎の少女のダブルヒロインなんですかね。続巻に期待したいです。2016/07/10
Yobata
23
罪獣を生む生命樹の出現によって一度崩壊した世界。人間は72時間の寿命を課せられ,それをリセットするのは罪獣を倒すと生まれるりんごだけだった。そのりんごを獲得する“罪獣狩り”の如月キサキは、禁域でデッドタイムが無限の少女と出会い…。ぽんかん⑧神,電撃の超推しで購入。内容は割とオーソドックスで、スキルが不完全ながら特質系な能力のお人好し主人公如月キサキが、世界の秘密を握る記憶喪失の少女マリアを匿いながら公安局と戦うという話。設定も罪匣を中心にかなり作り込まれていたけれど、禁域で出会ったマリアという少女に→2016/07/09
ヤギ郎
16
人類に72時間という時間制限を与えられ、それを伸ばすためには回復アイテムであるリンゴを食べなければならない。面白い世界観の中で魅力的なキャラクターが繰り出す日常は読んで楽しいものだった。物語を読み解くためには不足情報があったけど、次巻への期待として持ち越す。今後の展開によるけど、おすすめできる一冊。2016/07/21
ヱロ本Gメン
16
樹層都市という魅力設定故に逆に違和感。何故に普通の街並み普通の生活なのかと。大樹に寄生する宙空都市は、建築物は木造が主体であり住民には様々な重量制限が掛けられるのではないだろうか。だからコンクリ造りの建物は権力の象徴であり、人々は私物所有や自らの体重管理にも気を使い、デブ大食い巨乳は蔑視される。そして重量制限社会故に罪匣の保存容量は死活問題だからこそ主人公の能力はチートである、そんな感じじゃないのかなあ?それは兎も角、物語自体は面白い。バトルに偏らず、生命樹を含む謎解きメイン希望。ぼんかん⑧はやはり神。2016/07/10