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内容説明
町を離れた、ななこ姉ちゃんが3年ぶりに帰ってきた。主人公の翔太が、ななこ姉ちゃんと出会ったのは小学1年のとき。6歳年上のななこは、翔太や友達のトンビの面倒をよく見てくれて、3人は次第に仲良くなるのだが…。第23回小川未明文学賞大賞受賞。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ゆか
35
小川未明文学賞受賞作品。町を離れたななこ姉さんが三年ぶりに帰ってきた。翔太とトンビは、1年生の時にななこ姉さんと出会う。母親のいないふたりの面倒をよく見てくれたななこは、中3の時に親の仕送りが止まり、万引きをしてしまう。翔太のおばあさんからも嫌われ、住み込みで働ける美容師になろうとするななこ。なんだか、大人が誰も力になってあげず、やり切れない。翔太とトンビに対してもそう。貧困のループが問題になっているがまさに、そこにスポットをあてていると思った。最後、問題が解決していないのだが現実を思うと、解決は難しい。2016/04/13
イチイ
15
父親が仕事で不在でほとんど一人暮らしをしている少年は、大阪へ住み込みで働きに出ていた近所のお姉さんと3年ぶりに再会する。しかし万引きで捕まったことのあるお姉さんに大人たちは冷たく、少年はなんとか手助けしたいのだが、という児童向けの小説。主人公たちは親が不在か死んでおり、小学生のうちから田舎の家で一人暮らし。お姉さんに至っては母親が蒸発し唯一残されたつながりの月々の仕送りも途絶え、中学校の卒業すら危ぶまれる事態。あまりに過酷な生い立ち。物語として小さく、ほのめかされるだけの筋が多いのが気になった。2020/05/30
beniko
7
頂き本。近所の方が作家様とお知り合いとのこと。自伝的な要素もあり、小学生の翔太が、友人のトンビとともに親しくしていた6歳年上の「ななこ姉ちゃん」との数年の思い出を綴った話。ティーンズ文庫だけあって話は短い。翔太もトンビも母がいない。ななこは父が亡くなっていて、母は失踪。気丈な性格ではあるけど、幼い翔太とトンビにななこは支えられていたんだろう。たった一度の万引きで態度を変える翔太の祖母はいわゆる世間一般の人の反応を代表してるのかな。人が生きていくために必要なのは恵まれた環境ではなく、希望なのだと教えられる。2017/08/12
あお
1
課題図書。テーィンズ文庫だけあって読みやすい。2017/05/25
芦屋和音
0
小川未明文学賞大賞作品。ちょっと物足りないかなぁ。助けてくれる理想の大人が出てこないので、子どもが読んだら大人に幻滅しそう。けれど、ななこ姉ちゃんのたくましく生きる姿は素晴らしい。2016/11/04