内容説明
1929年パリ。私立探偵スタイヴサントは失踪した22歳のアメリカ人女性を捜索していた。ピカソら名だたる芸術家と交流があり、人気絶頂の写真家マン・レイのモデルをつとめていた彼女は、何らかの事件に巻き込まれたのか。パリ警視庁のドゥーセ警部は、犯罪的行為を繰り広げる奇抜な前衛芸術家の“芸術的表現としての殺人”を疑っていた。スタイヴサントは、“嘘を見抜く力”を持ち世捨て人のように暮らす友人ベネットの力を借り、死の帝国たるパリの闇へと踏み込んでいく。MWA賞受賞作家が贈る雄編。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
むらさきめがね
22
560pという長編に時間がかかってしまったけれど、第一次大戦直後のパリという空気感は好みだったのでストレスはなかったです。ウディアレンの「ミッドナイトイン・パリ」を見ていたので割とすぐ馴染めました。ポスト・ベルエポックのパリに漂う退廃した空気を楽しめるかどうかで感想は変わってきそう。ただ展開はかなりチープというか…あんまりな結末には思わず照れてしまう始末。パリが好きな人はぜひ。2016/12/04
Kotaro Nagai
6
この著者の作品は初読み。2013年の刊行。舞台は1929年のパリ。私立探偵のスタイヴサントは行方不明になった娘を捜索を始める。パリ警視庁の協力を得て行方不明者が複数いることを知る。当時のパリはヘミングウェイのパリ時代の作品などから雰囲気を伺い知れるが、マン・レイなど実在の人物も登場し本作品の描写もいい線行っていると思う。行方不明者のリストは読者にも開示されるが、その時点で規則性が全く分からないが後になるとそれが分かり犯人が判明する。主人公の人物像は意外と無骨でナイーヴで失敗もあり人間的で好感持てる。2025/10/15
一柳すず子
4
実はシリーズ2作目らしく、前作を引きずっている主人公ハリスがちょっと鬱陶しいのと、実際見ないと良くわからない芸術や装飾の描写が読みにくかった。犯人は予想通り。だけど当時のパリの雰囲気がじっとりと描かれ、その世界に引き込まれてしまった。ベネット兄貴も気になる。2017/03/26
J・P・フリーマン
3
文章が一つ一つ美しい。マン・レイ、リー・ミラー、モンパルナスのキキってみんな実在した人物なのか。実在の人物が混じっているとなると、その人たちは犯人じゃあないから、まあ途中で自然と目星がついてきますね。2016/09/11
そめのすけ
2
好きな作家だし期待してたんだけど、犯人が誰かとかより、大恐慌直前のパリの雰囲気が書きたかった感。それはそれでいいんだけど。途中で、あれと思ったら、シリーズ2作目でしたね。1作目出してくれー! でもヘミングウェイら作家や、マン・レイやリー・ミラーなどのアーティスト、ピカビアやシルヴィア・ビーチたちががどしどし出てくるので、それは楽しい。マン・レイが嫌なヤツだっていうのも、ほんとだったかもと思わせてくれる。you tubeの著者のページにも当時のいろんなイメージが集められているみたい。まだ全部見てないけど。2019/01/18
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