内容説明
霧深い夕暮れ、煖炉の前に座って回想にふけるチップス先生の胸に、ブルックフィールド校での六十余年の楽しい思い出が去来する――。腕白だが礼儀正しい学生たちとの愉快な毎日、美しく聡明だった亡き妻、大戦当時の緊迫した明け暮れ……。厳格な反面、ユーモアに満ちた英国人気質の愛すべき老教師と、イギリスの代表的なパブリック・スクールの生活を描いて絶賛された不朽の名作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
HANA
66
ここで描かれているのは一人の教師の生涯。妻との死別も戦争もあるが、中心となっているのはごく平凡な生徒たちとの日々。派手な事件が起きるわけではないが、その平凡さが胸を打つのである。それでも一つ一つのエピソードが輝いているように思えるのは、平凡さの中に読者もかつて過ぎ去った遠い日に思いを馳せさせられるからか。特に最後の回想の場面や、二度出てくる「チップス先生、さようなら」に込められた意味などは落涙ものであった。読んでいると時という落ち葉が積み重なっていくような、そんな光景を見たような落ち着きと寂しさを覚えた。2017/10/25
へくとぱすかる
65
旧訳に続いて新訳。新訳が出たのを機会に一緒に続けて読もうとした、というのが正解。21世紀にふさわしく、こちらの方が読みやすいですね。1933年のクリスマスに発表された作品。作中でチップス先生がその11月に亡くなるのがラストなので、当時の読者はまさに「今」に収斂する物語を読んだことになります。感動もひとしおだったでしょう。二度も映画化され、テレビドラマにもなったとか。ぜひスクリーンで見たいものです。2016/04/10
aika
56
ユーモアたっぷりなおじいちゃん先生のチップスと、彼の大切な大切な生徒たちの、軽快で素敵なパブリックスクールライフをセピア色の写真で見ているようです。たとえ時代が変わり、いかなる厳しい戦況になろうとも、チップス先生は変わらずそこにいて、いつもの授業を通して、不条理さに抗う。若く聡明な妻キャサリンとの出合い、そして彼女と生徒が残した「さようなら、チップス先生!」という言葉。さようならの先には、絶えることのない絆がありました。チップス先生は、学校に関わる皆にとって永遠です。Good bye, Mr.Chips!2017/02/21
優希
55
美しい夕日に想いを馳せるのが印象的です。教師時代をゆっくりと振り返ると、様々な思い出が浮かんでくるのでしょうね。老教師とパブリックスクールの生徒たちの生活わユーモラスに描いた名作だと思います。2023/05/06
藤月はな(灯れ松明の火)
51
愛すべき堅物な名教師が学校と生徒に捧げた人生とは。読友さんは「学校ものの傑作では、ドイツが『飛ぶ教室』なら、イギリスはこの小説」と仰っていました。妻キャサリンとの短い生活が面白みのなかった彼の人生にユーモアと柔らかさを与えたという点が暖かくてとても素敵。そして学校の本質を守るために新理事長に歯向かう場面はハラハラドキドキ。でも新理事長、ちょっと可哀想だったかも(´・ω・)一方で自分の子供同然だった生徒が戦死して心を痛める場面とチップス先生が亡くなってからの教え子の哀惜の言葉が辛かった・・・。2016/05/04
-
- 電子書籍
- 辺境に追放された第5王子は【幸運】スキ…
-
- 電子書籍
- 宰相補佐と黒騎士の契約結婚と離婚とその…
-
- 電子書籍
- アクセル・ワールド08 電撃コミックス
-
- 電子書籍
- 不機嫌なモノノケ庵 6巻 ガンガンコミ…