内容説明
「米内光政は国に事がなければ、或いは全く世人の眼につかないままで終る人であったかも知れない」(小泉信三)。海軍兵学校の席次は中以下、無口で鈍重と言われた人間が、日本の存亡のときに当り、自らの手で帝国海軍七十余年の栄光を葬り去った。一億玉砕よりも、未来ある敗戦に賭けて……。最後の海相の人物と識見を描いて、危機に際しての真の指導者とは何かを問う、感動の記録文学。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
榊原 香織
134
日本敗戦時の海軍大臣。盛岡の人。 3回名前が出てくる海軍省法律顧問、杉田主馬書記官は俳優、石黒賢の母方のおじいさん(こないだTVでやってた)。 作者の海軍愛を感じる2024/11/10
skunk_c
64
『井上成美』より前の著作であり、特に井上に関する記述には相当の重複もあるが、人物に関する証言も井上よりはかなり多いせいか、こちらの方がまとまりが良い。無口でハンモックナンバーも低く、かつかなり分裂模様のある海軍の中で、軍政に関わりながら追われることもなかったのは、その胆力だけでなく、表向き攻撃的でない(ここが井上と決定的に違うところ)ため敵に弱みを握られなかったからか。ただ政治家のキャラではない気もした。終戦時・戦後と海軍大臣を続けたのが天皇に対する敬愛ゆえだったとすると、彼も軍人気質の人だったのかな。2022/09/09
鍵ちゃん
18
「米内光政は国に事がなければ、成いは全く世人の目につかないままで終わる人であったかも知れない亅。海軍兵学校の席次は中心以下、無口で鈍重と言われた人間が、日本の存亡のときに当たり、自らの手で帝国海軍7十余年の栄光を、葬り去った。1億玉砕よりも、未来ある敗戦にかけて…。最後の海相の人物と識見を描いて、危機に際しての真の指導者とは何か、感動の記録。以前読んだ、山本五十六、井上成美、とともに読んだら、この三人が政治を握っていたら戦争はなかったのではないかと思うと残念だった。少しで終戦記念日だからこそ読んだもらたい2020/08/10
加納恭史
16
太平洋戦争を終戦に導いた米内光政について読みたいと思った。語るの作家の阿川弘之(1920~2015)。戦中の作家だからなじみがない。海軍の歴史につき語る作家は少ない。「井上成美」「山本五十六」の作品も。いわゆる阿川史観である。戦中派には人気が高かった。終戦に活躍した米内光政と井上成美は海軍大臣と次官のこと。米内に対して井上の言葉が残されている。二人とも軍人であり国際感覚ある政治家でもある。武官として海外に赴任したこともある。井上の語る一等大将には相応の見識があった。開戦に賛成した嶋田や東郷平八郎に批判的。2026/05/16
miyatatsu
15
歴史上の人物としてしか米内光政の事を知らなかったのですが、今回かなり詳しく知ることができて、とても新鮮でした。歴史の中では名前だけしか日本人は知らない人が沢山いると思うので、もっと伝記などを読んでいきたいです。2018/10/21
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