内容説明
「犬も歩けば棒に当たる」の正しい解釈は? 辞書を調べてみて驚いたその理由とは……。ことわざ一つをとっても考えをめぐらせれば世界は無限にひろがっていく。日々の暮らしや創作活動の中でふと立ち止まった瞬間に、作家は何を考え思うのか。「想像力の寄り道」を、エスプリに満ちた筆致で綴ったエッセイ集。疲れた頭をいやしたい方、必読。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
MIKETOM
4
阿刀田の普通のエッセイもずいぶん読んできたけど、大きな特徴といえば身辺雑記よりも蘊蓄系のネタが多いってことだろうか。阿刀田はギリシャ神話が好きでこれをよくエッセイネタに持ってくる。もちろん切り口が様々なので問題はない。そしてそれに付随して取材した時のエーゲ海の美しさを書いたり。一度行ってみたくなるね。無理だけど。はたまた一転して村上元三『佐々木小次郎』の解説を書く。文章が巧みなのでこれも読んでみたくなったりして。もちろん身辺雑記も書く。とまあ、エッセイは何冊も読んできたのでレビュー書くのもマンネリかな・笑2018/11/20
がぼ
1
様々な語彙をこらした格調高い文でありながらすらすら読める。 さっすが阿刀田さん!2008/03/08
jjj
0
マイナス5くらいの肺結核を体験した程度の私が言うのはおこがましいことではあるけれど、敢えて明言しよう。どんな場合でも、私たちはほかの人になれるわけではない。”かけがえのない自分”で”今、与えられている自分”で生きていくより、ほかの道は絶対にないのである。(169頁)この本のなかで、心に残った一文です。2024/05/06