内容説明
冬の再訪も近い不穏な時代、ハーディとチャームのふたりは出会う。そして、あり得ない殺人事件が発生する……。名作『ハローサマー、グッドバイ』の待望の続編。いますべての真相が語られる。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
りんご
42
地球人(ヒューマン)とスティルクは違う。うんうん、その前提あるとグッとわかりやすいですよ。前作はなんも説明なかったもんね。あの2人は伝説のカップルとなり、その末裔とされる人たち。ヤムの人たちは根掘り虫、ノスは水掻き持ち。「うちらとは違うから、心を許しちゃダメ」的な。でも凶作だとか危機が迫ったら協力しましょうよ。ロミオとジュリエット要素ももちろんあり。前作もだけど、ジュリエット役が非常に積極的だ。スティルクたちの存在意義とは?それってヒトも考えてること。我々の存在意義ってなんでしょうね。2025/09/13
みっぴー
38
前作『ハローサマー、グッバイ』を余裕で凌ぐ面白さ!SFにミステリが加わると、歩がと金に成ったかのごとく劇的に面白くなりますね。この話に出てくる民族は、自分より前の世代、つまり親や祖父、祖母の記憶をどこまでも辿ることができます。故に、犯罪を犯すということは、自分の罪が後の子孫まで伝わり、消えることはありません。よってこの物語で〝犯罪は起きるはずがない〟のです。しかし、ある男性がナイフで背中を刺されて殺されてしまう。なぜ、〝起きるはずがない犯罪〟が起こったのか…?大大大満足の一冊でした。2016/04/14
もち
32
「忘れる?わたしたちに忘れることができるとでも?」◆ぼくたちは記憶を辿って全てを学ぶ。父の、祖父の、曾祖父の記憶を。無惨な記憶は残さない、人殺しなどもってのほかだ。そう思っていた。海で他殺体を見るまでは――。世界の真実を、思い出せ。■名作SF「ハローサマー・グッドバイ」の続編。特殊設定ミステリとしての魅力が物語をリードし、前作同様、鮮烈な大仕掛けへと繋がっていく。万事に説明がなされた後、薄ら寒い衝撃と、やはり傑作だという喝采が心に渦巻いた。2015/12/06
えりか
27
「ハローサマー、グッドバイ」の続編。正直前作のいわゆる「SF史上有数の大どんでん返し」と比べてしまうとやはり前作のほうが良いと言わざるを得ない。が、ラストには前作からのロリンの正体や衝撃の事実が判明して面白い。存在理由に虚しいものがあるが、生きている間は愛や喜びに満ちた人生にすることができるし、そうしていこうとするハーディの成長っぷりが良い。何世代も前の記憶を受け継ぐ能力、記憶のギーズ設定など面白いなぁ。その能力の便利さとそれによる障害もあったりして、考えさせられる。唯一の地球人マクニールの行動には感動。2020/06/19
ざれこ
21
ハローサマーグッドバイの続編、とはいえ何世代も先の未来で、ドローヴとブラウンアイズが伝説になっている世界での、若い男女の青春と星の行く末を描く。前作よりスケールが大きく、前作を知ってるともどかしい部分もありでも前作の続きを知りたい切実な思いもあり、翻訳に手こずりつつ引っ張られて読みました。先祖の記憶を受け継げるっていう設定が面白いけど、記憶や過去の先例に囚われない考えがいいこともあったりして、いろいろ考えさせられたりしました。面白かった!しかし女性ヒロインは前作と似ていたなあ。強引だよなあ。かわいい。2017/07/12