内容説明
ドイツ古典派・ロマン派の交響曲、ワーグナーの楽劇に真骨頂を発揮した巨匠が追求した、音楽の神髄を克明に綴る。今なお指揮者の最高峰であり続ける演奏の理念。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
かす実
10
世界三大指揮者のひとりに数えられるだろう、フルトヴェングラーの音楽理念。ドイツ人はちょっぴり理屈っぽい上に逐語訳なので物凄く読みにくい。こんなに難解な本は初めて読んだ。でも、ずっと漠然と疑問に思っていた問題の本質に触れられていて感動した。なぜ純音楽が凄いのか?音楽の有機性とは?現代音楽の厳しさとは?聴衆はなぜ結局のところ無調音楽を好まないのか? またこれからも何度も読み返したいと思う。2018/06/17
風に吹かれて
10
大指揮者が音楽を語る。ゲーテの引用もいくつかあり、また思索家でもあり論理家(?)でもあるのだろう。その語り口は、装飾を排して彼の考えの本質の骨を表しているようで、正直理解が難しいところが多かった。ただ音楽は「生成」するものであるという点は、なるほど、と思った。私の理解するところは、最初の音が芽だとすると演奏家が音楽といかに生成するかによってその音楽は大木にも貧弱な木にもなる、ということだ。当たり前のことのようでいながら、テクニックに酔いがちな私-特に映像で鑑賞するとき-には教えられること大だった。2015/11/10
牧神の午後
8
やはりフルトヴェングラーは指揮者でもあったけどそれ以上に作曲家であったのだなぁと、無調音楽への反発を読んで実感。勿論、演奏家としての彼のスタンスは取り上げる曲についての語り口に見られるし、特にプローベについては、ジュリーにだったっけ?プローベのデキがあまりに完璧すぎて、これ以上の演奏が本番ではできないから、と本番をキャンセルした、というエピソードも、そうなのか?とそのスタンスに疑問になるレベル。惜しむらくは翻訳。逐語訳でヒジョーに読みにくく、日本語としてかなりの悪文。2017/12/03
アリョーシャ
3
ヴァルター・アーベントロート氏(指揮者のヘルマン・アーベントロートではない)との対談という形をとっているが、実際にはフルトヴェングラーの独演である(アーベントロートの発言は削られてしまったらしい)。ベートーヴェンの音楽に関する話はやはりさすがという感じだが、聴衆、演奏、指揮者と試演(プローベ)などの演奏会を中心とした話も発見に満ちている。中身はよいのだが、抽象的な言葉を多用して語られる上に、文の間に修飾が挿入されるため、とにかく読みにくい。2017/03/10
O. M.
2
大指揮者フルトヴェングラーが、クラシック音楽について語ったもの。聴衆、演奏、ベートーヴェン、調性・無調性などについて。第一人者の教養、説得力は凄いですね。1948年発行ですが、聴衆の受け取り方など今に通じる部分もあり、興味深く読みました。巻末、奥波氏の文庫解説は、フルトヴェングラーを知らない人には先入観を与えるので、後で読んだほうが良いと思います。2018/05/06
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