河出文庫<br> クーデンホーフ光子の手記

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河出文庫
クーデンホーフ光子の手記

  • ISBN:9784309410326

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内容説明

明治二十五年、東京牛込の町娘光子はオーストリアの伯爵ハインリッヒ・クーデンホーフに見初められ結婚、欧州に渡る。夫の急死により三十二歳で寡婦になった光子は、女手ひとつで七人の子を育て上げ、“黒い瞳の伯爵夫人”と称せられる。本書は死の直前まで綴った手記で、編者により初めて日の目を見た貴重な記録である。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Midori Nozawa

5
友達から貸していただいた。「ミツコと七人の子供たち」と同著者。最初に読んだ本から、ミツコの生涯を知り、次に本書でミツコが残した手記を興味深く読めた。夫のハインリッヒがミツコをカトリック入信に導いたことをミツコは最大の感謝と述べている。ハインリッヒはたくさんの言語を学び相手に合せて会話ができた。ミツコとは15歳ほど年が離れ、まるで親子のようにミツコにヨーロッパの芸術を見せた。ミツコは素直に環境の中で周囲にかわいがられて生きた。父の偉大さを子どもたちに残したいとの執念が結実した手記だった。2020/07/26

sasha

3
「翻訳するのに苦労しました」っていうのをプロローグに書くより、光子のプロフィールを綴った方がよかったんじゃないのかな。確かに話は飛ぶし、読み難いんだけど訳者の苦労話を冒頭に持ってこられてもなぁ。唯一の頼りだった夫が若くして急死した後、7人の子供を抱えてヨーロッパで生きて行くのは並大抵ではなかったろう。手記からは子供たちへの愛情が読み取れるのだが、実際の光子と子供たちの関係はあまりいいものではなかったようだ。2015/03/30

たびちゃん

3
多くの異文化を見、さらには数カ国語を話し、またそこの文化、宗教などを尊重し勉強したクーデンホーフ伯爵にとって一番目をかけるべき民族が日本人であった。そのうえ、日本人の本質を「無私」と見抜いていた。この中で育ったミツコは絶好の妻になりえたと直観的に捉えたのではないだろうか?よーは万国共通で、伯爵にとってミツコとは自分でイチから教育できた美少女、紫の君だったわけですね。2013/06/09

lionne

2
図書館‡かつて読んだ同じ著者による光子さん(とその子どもたち)の評伝。その資料のひとつとなっている光子さん本人の手記。明治時代にはじめて正式な国際結婚をしてヨーロッパに渡った女性が早世した夫(パパ)について遺された子どもたちへ向けて綴ったもの。パパの人がらを語りながら結果としてアジアからヨーロッパへの旅行記、見聞記録となっているのが現在での価値じゃないだろうか。いろんな意味で興味深い女性(というか一家)なんだけど、なかなかその実像が見えにくい(そこがまた興味をそそられるんだが)2010/11/22

なかがわみやこ

2
手記をそのまま訳しているので、あちこち散らかって大変。音で聞くならいいけど、読むのは辛いです。2010/08/24

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