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内容説明
第17回文化庁メディア芸術祭マンガ部門新人賞受賞作「夏休みの町」を収録した、新しくて懐かしい魅惑の作家、町田洋の初期作品集! 眠れない建築士と建物の声を聴く男。丘の上の戦闘機とありふれた夏休み。君に会えない僕と屋上で見上げた空。夜とコンクリート。 平坦な日常にある、もう一つの地平に見たことのない景色がある。町田洋の静かな世界がここに!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
❁かな❁
170
町田洋さん作品読むのは2作目。ヴィレバンにて2作並んでてすごく気になり手に取ってみました!こちらは文化庁メディア芸術祭マンガ部門新人賞受賞作の『夏休みの町』を含み、描き下ろしも入った4編入り。帯に「見たことのない景色がある町田洋の静かな世界」と書かれていますが前作と同じくその言葉がぴったりな感じです!とても良かったです★シンプルな絵のタッチで言葉も少なめで静かな世界で何とも言えない素敵な空気感に包まれています*特にお気に入りは『夏休みの町』『青いサイダー』です!優しい作品で町田洋さんファンになりました♡2015/06/14
眠る山猫屋
65
『日食ステレオサウンド』も良かったが、風が吹き抜けていくような空気感が最高だった。日常に吹いた風が世界を変えていく、壊すのではなくスライドしていくように。小高い丘に佇む壊れた戦闘機と謎の老人を導き手とする『夏休みの町』では、失われたものを再び見つけようとする心の機微を、『青いサイダー』ではイマジナリーな友達(場所?)を持つ幼い少女と彼女をマンションの屋上から見守る男の交歓を、SF風に描いていく。とても繊細に刺さってくる感情は、言葉に顕しにくいが素晴らしく心地好い。淡くポリゴンのような画風もまた、善し。2024/01/04
kanon
53
本当に偶然「午前三時から夜明けまで」、建物が眠る時間にこの作品を読んでいた。BGMに付けていた音楽を止めて、壁―コンクリートに耳を澄ませてみた。建物が喋っているのなんて分からないが、国道の、いつもの喧騒も無いその時間と言うだけではなく、純粋な、静けさがあった様に感じた。雰囲気だけれど。町田さんの絵は、シンプルであるのに、正確である。物事の本質を捉えている。「青いサイダー」の、雲なんて特にそうだ。雲。現実、雲はあんなにもカクカクしていない。それでも、とてもリアルに感じられる。とてつもなく絵が上手いのだ。2015/08/19
1039kuri
41
「夜とコンクリート」「夏休みの町」「青いサイダー」「発泡酒」。タイトルがどれも素敵。お話は「青いサイダー」が一番良かったかな。どちらも孤独な男と子どもの、二人にしか分からない友情というか、二人の心の共鳴が、儚くて美しいと思った。読んでいてじわじわと涙が出て、読了後はなんだか少し寂しさが残るが、悪い感じじゃない。これから何度も読み返すことになりそうな予感。2014/05/15
gelatin
40
★★★★★ 迷いなく★5つ。すごくすごく良かった。タイトルもいい。2つめの「夏休みの町」読前読後でタイトルの意味が違っていることに気づいてじわーっとこみ上げるものがあった。3つめの「青いサイダー」、ラスト1コマがぐっとくる。こんな絵だけど(失礼)気持ちの描き方がほんとにうまいなー。2014/04/06