文春新書<br> 国のために死ねるか 自衛隊「特殊部隊」創設者の思想と行動

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文春新書
国のために死ねるか 自衛隊「特殊部隊」創設者の思想と行動

  • 著者名:伊藤祐靖
  • 価格 ¥815(本体¥741)
  • 文藝春秋(2016/07発売)
  • ポイント 7pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784166610693

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内容説明

もっとも死ぬ確率が高い特殊部隊の創設者が語る究極の組織論。

新安保法制が施行され、「自衛隊員の戦死」が現実味をおびてきた。しかし、今の日本という国家に「死ね」と命じる資格はあるのだろうか。国のために死ねる人間を作るにはどうしたらいいのか――。

【著者プロフィール】
1964年生まれ。日本体育大学から海上自衛隊へ。防衛大学校指導教官、「たちかぜ」砲術長を経て、イージス艦「みょうこう」航海長に。在任中の1999年、能登半島沖で不審船と遭遇。この事件を契機に創設された海上自衛隊内初の特殊部隊「特別警備隊」に配属され、現場突入部隊の初代指揮者として足かけ8年間在籍。42歳で退官し、ミンダナオ島に拠点を移し、日本を含む各国の警察、軍隊を指導。現在は日本の警備会社のアドバイザーを務めるかたわら、私塾を開いて、みずからの知識、技術、経験を後進へ伝えている。

【おもな目次】
第一章  海上警備行動発令
北朝鮮戦闘員の目/初めての海上警備行動/警告射撃開始 など

第二章  特殊部隊創設
特別警備隊準備室/レンジャー訓練の実態/自衛隊は弱いのか など

第三章  戦いの本質
拉致被害者を奪還できるか/相手に勝つということ/平時と非常時/常識を捨てられない問題 など

第四章  この国のかたち
あなたの国は、おかしい/トロい奴は餌/危うい行動美学 など

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

mitei

363
中々今の日本人にいない方だなと思った。本当に国家のために命を捨てるとはどういうことなのかを突き詰めるとこういう感じになるんだなと思った。確かに訓練とかで実際のシーンを想定してやってはいるが、慣れって怖いなと思った。しかし恥ずかしながらフィリピン人の兵士の方の話し方がハルヒっぽいなとか全く違うことを考えていた私がいた。そして日本の掟を捨てて外国からの掟になったのをどう取り戻すのかを考えていないという問いかけに著者同様私も考えこんだ。全体的に引きこまれやすい文書で分かりやすかった。著者の父君の経歴にも驚いた。2016/09/04

あちゃくん

110
打ちのめされるくらいスゲー話の連続でした。 著者の親父さんの話も、特殊部隊創設時の話も、ミンダナオ島の女性コマンドーの話も、自衛隊の防災訓練の話も。 すべての話に通底するのは徹底したリアリズム。 こういった発想やこういった視点で考えることはほとんどしてこなかったなと、久しぶりに自分の価値観が足元から持っていかれるような読書体験を味わいました。2016/10/07

saga

67
ラジオ出演した方の著作を読むということが多いが、本書もその一つ。著者は60年代生まれの同世代だが、陸軍中野学校出身の父に育てられた稀有な経歴を持つ。本書を読み進める中、『兵士に聞け』を読み始めたが、自衛隊、自衛官を見る目線はやはり違った。海自特殊部隊創設に携わったが、その完成を見る前に艦船勤務に戻され、退官を決意。「平時と非常時」に対する見解は同感だ。しかし、常に非常時で生きるミンダナオ島での弟子である女性の話は、殺すか殺されるかという極限では野生の本能剥き出しでなければ生きられない悲しさを感じた。2021/10/20

James Hayashi

67
感動に涙。日本を守る決意。自分の命を省みない。日本領海に潜入する北朝鮮と海上自衛隊。凄まじい訓練といつ来るかもしれない決戦の時。部下の命まで預かる重責。実戦を積んだフィリピン女性に特殊部隊を経験した著者が多くを学んだことなど生きるとは、日本とは?自衛隊とは?など考えさせられた。著書は能登半島沖不審船事件でイージス艦の航海長。父は蒋介石暗殺の為、絶えず射撃の訓練を行なっていたという強者。海上自衛隊に入る為、髪を切り封書に納め遺書まで書いた。自衛隊初の特殊部隊を作り初代小隊長、現場突入部隊指揮官。 2016/10/04

hatayan

64
自衛隊にも特殊部隊が必要と進言し、部隊の創設から初期の立ち上げに関わった元将校の回想記。組織からはみ出しそうな個性豊かな隊員をまとめ上げて軌道に乗せるも、異動を機に制服を脱ぎ、戦闘行動の感覚を研ぎ澄ますために単身でフィリピンへ。地元の海洋民族の女性と命のやり取りを続けるなかで、日本とは何か、国家は何のためにあるのかを問い続けます。 特殊部隊がその命を捧げるに値する崇高な理想を目指す国家であってほしいとする著者の願望に触れて、寺山修司の残した言葉「身捨つるほどの祖国はありや」を頭の中で巡らせました。2019/02/03

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