内容説明
誰もが子どもの頃に一度は読んだことがある名作『ねないこだれだ』の作者せなけいこさん。そんな名絵本作家が、フルカラーの貼り絵原画満載の大人の絵本で創作の源泉を綴った。「ためになると思って、描いたわけじゃない。しつけの本でもない。あばけになって飛んでいきたかったのは、わたしなの」。あのおばけはいかに生まれたか。子育てをした、子育てをするすべての人に贈る、せなけいこさん最初で最後の自叙伝的絵本。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
☆よいこ
94
分類726。せなけいこのお仕事エッセイ本▽しつけのため、こわがらせるために書いた本はない。母親に反抗し、絵で食べていく!と必死になったからこそ絵描きになった。(だから母に感謝しているかと言われたら、ちょっと困ってしまうのだけれど)子育て中は自分の息子と娘のことを題材にした「いい子にしてないと、またママに本にされちゃいますよ!」▽「おばけに会いたい」が口癖。フルカラー、絵本の原画が惜しげもなく掲載されていて好き。『ねないこだれだ』は子育て中の私のバイブルでした、わたしも飛んでいきたかった。2016年発行2025/06/03
yomineko@鬼畜ヴィタリにゃん
74
せなけいこさんの本はどれも大好き!特に「うさんごろ」が好きだった🐇🐇🐰せなけいこさんの描くうさぎさんはいつもチョッキを着て、下半身は裸。チョッキから出ている尻尾がまんまるで本当に可愛い。2022/05/05
鱒子
72
図書館本。20分くらいで読める短い本ですが、クリエイターとしての矜持が見える良いエッセイでした。「ねないこだれだ」はウチのムスメにとっては恐怖の対象でした。寝たくないとグズる時は「ねないこだれだ 読むよっっ!」と言うと、「(≧△≦)イヤー」と泣きながらベッドに入ったものです(ちゃんとそのあと楽しい絵本を読むんですけど(^◇^;))。使い方としては間違ってると思いますが、わたしにとって思い出深い絵本。多くを語る事のない製作者のしなやかな強さーー本書で知ることができました。2018/11/30
たいぱぱ
68
5年振りの再読。せなさんの優しい気持ちが詰まった絵本なエッセイは、こちらまで優しい気持ちにさせてくれます。子供たちに絵本を読み聞かせてる時に出会ったせなさん。たくさん読み聞かせしてきた絵本がこんな気持ちで、こういう過程で作り上げられてきたと思うと感慨深いものがあります。僕も絵本を描いて子供たちに読ませたいと思ってましたが、壊滅的に絵が下手なんであきらめました。その代わりに即興で下品な笑えるお話を作って聞かせてました。そんな話を今でも子供たちが覚えてるんですよ。せなさんと全く方法は違うけど志しは同じ…かな?2021/11/15
Kawai Hideki
68
「ねないこだれだ」「あーんあん」などの幼児絵本で有名なせなけいこの自伝的エッセイ。作品こめられた想いや裏話、上京して絵の勉強をはじめてから、絵本作家になるまでの軌跡、自らの子育ての経験談など、興味深いお話がいっぱい。切り絵の原画や作成方法、色紙の集め方なども面白い。この夏、銀座の「ナルニア国」に展示してあった原画を拝見したが、広告の裏に寿司折の包み紙を切って貼っているだけだったりして、「なんと素朴な!」と驚いた。親が子供のために作った切り絵が、そのまま絵本になったようだ。長く愛されている訳だ。2016/09/08