内容説明
生物と同様に、社会システムは「同一性」と「変化」に支えられている。だが、この二つの相は本来両立しない。社会心理学はこの矛盾に対し、どのような解決を試みてきたのか。影響理論を中心に進められる考察は、我々の常識を覆し、普遍的価値の不在を明らかにするだろう。本講義は、社会心理学の発想を強靱な論理とともに伝え、「人間とは何か」という問いを読む者に深く刻み込む。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
123
この筆者の作品については手に取ったことがありませんでした。お気に入りさんのレビューを読んで読んでみようと思いました。5Bの鉛筆で傍線をひきながら読んだのですが私の知的好奇心を満足させてくれました。大学の授業の構成になっていて14章と最初のオリエンテーション的な社会心理学の解説があります。「人格論の誤謬」と「自由と支配」が印象に残りました。以前読んだ「沈黙の螺旋理論」をお思い出しました。再読してノートをとってみようかと思います。2017/12/14
マエダ
86
今年読んだ中No1かもしれない。自分はノンフィクションが好きと言っているが社会心理学が好きなだけかもしれない。今まで読んできた自分の好みの本は小説からノンフィクション含めて社会心理学のうえになりたっているものばかりである。2017/11/03
あちゃくん
41
難解だったし咀嚼しきれなかったけど、面白かった。これからサバイブしていく社会を〈開かれた社会〉だと認識することで、自分の進む方向を下支えしてくれる気がした。2023/01/06
wiki
37
良書には著者が悩み、何とか暫定的な解答を得てきた、そうした痕跡が見られるものだ。著者の如く悩み、解決すべく思考を深める動機は私も理解できる。私の場合、その根底的解決が難しいと悟った時に、次にその悩みの意味を見出そうと考えた。結果、他者の悩みの解決に、自分の苦悩が幇助になると信ずる事で私は意味を見出した。著者が序文の最後に「異質な生き様への包容力を高め、世界の多様性を受け止める訓練を来る世代に施す。これが人文学の果たすべき使命ではありませんか。」と書いた事は、悩める研究者のそうした思いからに感じてならない。2020/04/06
りょうみや
34
皆さんのレビュー通りにとても深く刺激的な内容だった。厚く濃いので読むのにだいぶ時間がかかった。他の本ではほんの少しの解説で終わるような社会心理の多くの実験が、哲学的な目からウロコ的な考察が次々に展開される。社会心理学は本来は心理と社会と一体化し人間というものを探求する学問だということに気付かされる。自由とは、意識とは、格差とは、理想の社会とはと色々と考えさせられる。繰り返し読みたい。2018/09/15
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