新潮文庫<br> 背いて故郷

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新潮文庫
背いて故郷

  • 著者名:志水辰夫【著】
  • 価格 ¥913(本体¥830)
  • 新潮社(2016/07発売)
  • ポイント 8pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784101345192

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内容説明

第六協洋丸、仮想敵国の領海に接近するためのスパイ船。柏木はその仕事を好まず、親友・成瀬に船長の座を譲った。だが成瀬は当直中に殺されてしまう。撮影済みのフィルムを奪われて。禁忌に触れてしまったとでもいうのか? 柏木は北の大地を餓狼の如き切実さで駆けめぐった。ただ真相に迫りたかったのだ。彼の前に立ちはだかるのは〈国家〉、そして――。日本推理作家協会賞受賞作。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

サンダーバード@永遠の若者協会・怪鳥

105
仮想敵国の領海に接近するためのスパイ船の船長柏木はその仕事を好まず、親友・成瀬に船長の座を譲った。だがその彼が殺されてしまう。なぜ彼が殺されたのか、事件の真実は?ストイックな主人公、迫る影、ヒロインの存在。和製ハードボイルドだね。★★★

佐々陽太朗(K.Tsubota)

91
志水辰夫氏の初期三部作と称される一作。やはりラストの叙情性がたまらない。シミタツ節全開である。主人公が男くさい。というかオッサンくさい。しかも面倒くさい性格でもある。直木賞候補には挙がったらしいが、そのあたりに難があったかと思う。しかし、それにしてもシミタツらしい。好きだなあ。2019/06/21

遥かなる想い

84
85年の日本推理作家協会賞を受賞作。優子・早紀子などの人物描写はいい。また庄内平野など故郷の描写もしなやか。ただ、犯罪にいたる動機など、やや粗雑な感じがする。2010/08/29

タックン

60
再読。志水節炸裂する日本推理作家協会賞受賞の名作。 何となく背景はわかるが、正直謎や背景や組織が最後までわからなかった。そして最後の真相は驚いた。 それでも哀愁漂う男の魅力溢れるハードボイルドサスペンスでした。 志水さんは女性の描き方が上手いのですが、この作品でも対比する魅力ある2人との恋愛模様が儚くてよかったです。2022/06/09

うりぼう

58
私の読書の師匠は、北上次郎氏。ごめんなさいS様。「本の雑誌塩むすび夜明け号」で、氏がシミタツならこれを読め!とこの本をベスト1に。読みました。やっぱ今年のベスト10入り確定ですわ。ミステリーじゃないと思う。弱き人間の中にこそ、美しき人間があり、高らかな人間賛歌となる。「つけてあった客間のストーブが、赤い、ゆらめきもしないで私の顔を染め上げた。」怒涛の中に沁み入るクライマックスを迎える直前の一瞬、止まった時間が妙に印象に残る。雪、雪、雪の大晦日の前日の「赤」鮮やかすぎる。初めてのシミタツ、これから嵌る予感。2011/05/11

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