民権闘争七十年 咢堂回想録

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民権闘争七十年 咢堂回想録

  • 著者名:尾崎行雄【著】
  • 価格 ¥1,155(本体¥1,050)
  • 講談社(2016/07発売)
  • ポイント 10pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784062923774

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内容説明

連続25回当選、人呼んで「憲政の神様」。生涯を議会政治、政党政治の確立に捧げた男が敗戦に直面して抱いた苦い思い。「日本に欧米なみな立憲政治を確立することを念願として私は七十余年努力したが、微力のためかついに及ばず、そのために愚かな戦争を始めて無条件降服という未曾有の屈辱を蒙る……私は一生を無駄に過してしまったと思うことがしばしばある」。戦後70年をすぎ、立憲主義が問われるいま、本書の意義は重い。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

筑紫の國造

10
「憲政の神様」尾崎行雄の回顧録。特徴は、なんと言ってもその議員歴に尽きる。最初期の議会から戦後までの政治家歴は、他の追随を許さない。師事した福沢諭吉から初代総理の伊藤博文、大隈重信ら明治の元勲たち、原敬や加藤高明らの政党政治家、そして昭和の近衛文麿や東條英機など、人間として間近に接した有名政治家は数知れない。実に面白い。ただし、尾崎は自分の汚点になることは語っていない。それらは解説で詳細に指摘されているので、是非こちらも読んでバランスを取ってほしい。尾崎は「神様」ではなく、泥臭い政党政治家の一人だった。2018/02/01

BATTARIA

3
尾崎行雄は衆議院選挙に連続25回当選し、国会議事堂前庭に銅像が立っているが、62年8ヶ月の在職の割には、際立った実績があるわけではない。第二次大隈重信内閣の司法大臣として、内務大臣大浦兼武の贈賄を、政界引退と引き換えに不起訴にしたり、漢字を廃止しろと言ったり、憲政の神様と呼ぶには到底値しない。加藤高明が自分と対立しているからって、清浦圭吾内閣を倒した第二次護憲運動を不純呼ばわりしたり、ワシントン軍縮条約を取りまとめてきちんと実行した加藤友三郎の内閣を、政党に基盤がないという理由で変態内閣呼ばわりは論外だ。2022/04/20

1
尾崎は第一議会から戦後まで当選し続けたので回想録がそのまま戦前の政党史として勉強になる。日清の積極的開戦論や袁世凱排斥運動をしていたことはあまり知られていない。政友会入党時は伊藤から巨額の資金を貰った。1921年の外遊を区切りに政治面外交面で態度は一変する。以後は後藤を担いだ時のような裏での行動力が失われ、軍部全盛時代には沈黙がちになり、議会で演説して仕事をした気になっている。この人が一匹狼の批判者にならずに、二大政党のどちらかでしっかりと地盤を固めて方向を修正すれば良かったのに。解説が非常に優れている。2022/04/06

ダージリン

1
最近国会図書館へ調べものに行くことが多く、憲政記念館の脇を通るので、尾崎行雄のことは気になっていたのだが、こんなに凄い人とは知らなかった。特に後年の言うべきことは怖れずにはっきり言う姿勢には勇気づけられる。今の政治家にもこうした覚悟をもってほしいものだ。それにしても第1回総選挙から戦後まで60年以上代議士を務めただけあり、兎に角語られる時代の長さが凄い。明治からの政治史を代議士の視点から見ていくというのも新鮮だった。憲政記念館は是非一度見に行こうと思う。2016/10/06

gotoubun

0
日本政治史の教科書にもなれそうな良書。2016/09/02

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