内容説明
「わかりやすく,おもしろい教科書」--謳うのは簡単,でもそれがいちばん難しい--だからこそ,挑戦しました。「そうか!」という瞬間が本書には必ずあります。なぜならあなたと一緒に徹底的に考えるから。わからないことほど楽しい,そんな知の世界へ飛び込みましょう。
目次
第1部 正義論
Chapter 01 功利主義
Chapter 02 正 義
Chapter 03 自 由
Chapter 04 平 等
Chapter 05 権 利
Chapter 06 正義論の最前線
第2部 法概念論
Chapter 07 ルールとしての法
Chapter 08 法の価値
Chapter 09 法の権威
Chapter 10 解釈としての法
Chapter 11 批判理論
Chapter 12 遵法義務
Epilogue 法哲学の基礎理論
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
しゃん
21
どこまで理解できたかはさておき、何とか最初から最後まで読み通しました。主に英米系の法哲学において何が語られ、どのような論争が展開されてきたのかが見えたような気がします。これから法哲学の世界に分け入るためのいい地図を手に入れたような感じかと。今後、本書で示された参考文献を少しずつ読んでみて、再び本書に戻ってこようと思います。2017/08/17
ヤギ郎
10
法哲学の教科書。とても読みやすい。前半は政治哲学について。近年の哲学的論争にもフォローしているので,初学者のみならず一般も読んでほしい。後半の法理論について,図表を交えて丁寧に解説しているのですごく助かる。本書に掲載されている図を覚えると今後の勉強に役に立ちそう。2018/08/15
うえ
9
現代の法哲学についてとにかく分かりやすく概説。ロールズの正義論におけるマキシミンルールをハーサニが如何に批判したか、リバタリアンが正義論の批判からどう展開したか等々。ロールズに対する批判の、ノージックは①生まれつき持っている能力は誰かを犠牲にして得たものではないのでその人の正当な所有物②素質があっても努力しなかったために才能が開花しない人がいるように利益を得るためには本人の自己決定や労働が必要、という所は鋭い。他に、多文化主義は民族・文化の独自性を守るため強制措置を正当化する側面を持つという指摘も強力。2020/03/20
まさにい
8
平易ではあるが程度は落としておらず。ただ、腑に落とすには難しい。そこで、自分で考える必要がある。この本を読んで、どうも西洋法哲学はキリスト教的一神教の呪縛から中々逃れられていないような気がする。また、法実証主義から新自然法に揺り戻しがあったのがナチスのせいでもあるし、ハートの理論もアメリカのベトナム戦争に端を発していることも面白い。僕は憲法13条の個人の尊厳とは何かを考えたくて法哲学の本に救いを求めていいるのだが、少しづつ考えが固まってきたようにも思える。もう一冊何か読んでみようと思う。2021/03/07
kousan
4
再読。分かりやすい。のでしばしば再読します。