内容説明
事故で両目の視力を失った蒼。角膜移植さえすれば、見えるようになる――そう思うと、むしろ何事もやる気になれない。二年が経ち、高校もやめ、漠然とした不安のなかにいる蒼に声をかけてきたのは、友希という女子大生だった。ふたりは惹かれあい、恋人になる。直後、蒼は移植手術を受けることに。だがそれは友希との別れを意味していた…。せつなく香る、恋の物語。
目次
一章 感じる光
二章 触れあう光
三章 見えない中の光
四章 捻じれる想い
五章 つかめない光
六章 見える中の暗闇
七章 君が香り、君が聴こえる
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ゆき
43
タイトルと帯に惹かれて衝動買いしてしまいました。事故で両目の視力を失った蒼。漠然とした不安のなかにいる蒼に声をかけてきたのは、友希という女子大生だった。友希と出会ってようやく活力を戻した蒼。香りや情景の描写が綺麗だなと思いました。同じ痛みでも、人によって感じる痛みの強さや辛さは違うんだなと思いました。そして、人の痛みを理解するのは、そんなに簡単なことじゃないんだと思いました。2016/06/09
優愛
28
光を失って以来、諦める事は当たり前で。いっそ開き直ればいいのに、だけど、焦りが消えなかった。「何かしたい。何かを、知りたい。」自分より不幸な人を見て安心する。分かってたのに。そんな私の身勝手な思いが、いつか貴方を傷つけるんじゃないかって──。2018/07/01
coco夏ko10角
23
途中まではよかったけど、後半の友希の感じがちょっと苦手で。2017/05/08
蒼雨
23
表紙とタイトルに惹かれて購入し、今まで温めていた本でございました。なんか、先が想像できたのが……残念……天井が見えてない歌い方ってどんな感じかなってちょこっときになりました。多分再読はしない……です。2016/09/30
わをん
15
見えるってそれほど重要じゃないかもしれない。と思わせてくれた。私たまに見えるのと聞こえるのどちらが今の生活を可能にしているのかを考えるけど、視界というのはやっぱり大きいという結論にいつもなる。どうなんだろう。今まで生きながら万が一の覚悟はしているつもりだけど、どうなのか。アナザーの世界じゃなくて、同じだなんて少なくとも私には気づけないな。あと、全体的にもう少し凝ったものにしてほしかった。2016/05/24
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