内容説明
究極のバイオハザードと――怒涛のどんでん返し!! メフィスト賞出身作家・周木律の新境地&渾身、一気読みホラーミステリー誕生。ある県の山中にある大規模製薬会社・平成製薬の研究所で爆発事故が発生。主人公・和泉夏樹はガレキのなかで目を覚ましたが、彼女はすべての記憶を失っていた。崩れ落ちた施設、くすぶる炎、視界をさえぎる煙とチリ……何が起きたかわからないままその場を避難した夏樹は、同じく爆発から生き残っていた研究者の信と出会う。彼もまた夏樹と同じ製薬会社の社員であったが、この事故の発生理由を知っているわけではないようだ。ふたりの他にも、わずかながら生き残った人々はいた――治験のバイトに来ていた羽田と小室井、警備員の蝉塚らとともに脱出を試みる夏樹と信。しかし、彼女らの前にあらわれたのは人ならざる人――。食人鬼と化したかつての同僚たちだった!? 倒しても倒しても、立ち上り、肉をむさぼろうとする「ウェンディゴ」たち。この研究所は、一体何を隠していたのか――!?
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
いつでも母さん
112
なんだろう・・この表紙に惹かれてついの1冊。ストーリー・・なんとなくは想像出来てはいたんだ、出来ては。が、前半のこの気持ち悪さは夜には読みたくはないなぁ。そこを超えるとね、やっぱり『不老不死』なんて願ってはいけない!って事ですよね。陸自の登場もあるのだけれど、こんな風に使われたくは無いだろうな・・なんて思ったりもして、なんとなく哀しく読了した。2016/09/02
aquamarine
84
辛口ご容赦。究極のバイオハザードと怒涛のどんでん返し、一気読みホラーミステリ、という内容紹介はちょっと煽りすぎかと。期待して読み始めたので、かなり残念な思いをしました。ホラーゲームを攻略本見ながら最短ルートで通り過ぎたみたい。ミステリの冠はないほうがいいかも。ちょっと前に白井さんの本を読んでいたからハードルはさらに高く設定されていたかもしれませんが、それを差し引いても残念。著者の作品なら、これより「災厄」のほうがおすすめです。2016/11/17
とろこ
70
ツッコミどころが多く、B級感が漂っていたが、サクサク読めた。やはり、自然の摂理に背けば、反動があるのだろう。人間が手を出してはならない領域というものは、あるのだと思う。それにしても、今の世でも、不老不死を願う人々は多いのだろうか。死があるからこそ生が輝くのだ、とも感じる。それに、生き辛さを抱えて苦しむ人々がこんなにも多い現代において、ここまで不老不死に執着することにリアルさを感じられなかった。私は、自然に、運命に逆らわずに生きて、自然に逝きたい。2018/03/28
Bugsy Malone
67
ゾンビ化する原因など、目のつけ所は非常に良いと思うのだけれど、全体的に未熟さを感じてしまう惜しい作品でした。面白いことは面白いのですがどうしてもその辺りが先にたってしまう。一気にサラッと読めてしまうのもそれ故なのかと。2017/01/21
キナコ
61
バイトホラーミステリーと書かれているが、ミステリー要素は少なめ。ある山奥の製薬研究施設で起こったパンデミックを中心に書かれたパニックもの。クローズサークル設定なため、登場人物も少なくテンポ良くストーリーも進むため読みやすかった。原因となったウイルスの話も短く分かりやすいかと…やや恋愛要素もあり。 最後の結末は皮肉としか言えないかな。2022/04/24