中公新書<br> 殷 ―中国史最古の王朝

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中公新書
殷 ―中国史最古の王朝

  • 著者名:落合淳思【著】
  • 価格 ¥968(本体¥880)
  • 中央公論新社(2016/07発売)
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  • ポイント 240pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784121023032

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内容説明

殷王朝は中国史最古の王朝である。紀元前一七世紀頃から紀元前一〇四六年まで、約六〇〇年続いたとされる。酒池肉林に耽る紂王の伝説が知られているが、この王朝にまつわる多くの逸話は、史記のような後世に編まれた史書の創作である。殷王朝の実像を知るには、同時代資料である甲骨文字を読み解かねばならない。本書は、膨大な数の甲骨文字から、殷王朝の軍事から祭祀、王の系譜、支配体制を再現する。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

へくとぱすかる

44
甲骨文字の分析からは、殷についての伝世資料とは、かなりイメージの異なる社会像・王朝像が出てくる。「酒池肉林」がフィクションにすぎないこともそうだし、著者は周以前の王朝に、そもそも名前があったのかどうかについても疑問を呈している。王統譜にも、殷の時代からすでに架空の王名が挿入されるなど、利害関係で人間は簡単に歴史を改竄してしまうことを、あらためて思い知らされる。2017/01/16

ゲオルギオ・ハーン

29
古代の王朝と聞くと今の感覚では合理的でないことが多く、滅亡した理由となると本書の表題でもある殷のように愚君や暴君の登場が原因というイメージがある。これは従来(特に中国における)の研究が文献(史記など)メインであって、甲骨文字が使用された当時の記録は相対的に重視されていなかったことを本書では理由として説明している。そこで本書は甲骨文字での記録をメインに殷の時代を捉え直している。また、ただ記録を翻訳するだけでなく、記録にないことは他の資料や推測を行うことで全体像を掴むことに全力を尽くした良書。2022/02/24

Tomoichi

23
中国最古の王朝「殷」、史記などの後世の文献資料ではなく発掘された甲骨文字を元に殷王朝の実像に迫る。甲骨文字研究がそれほど歴史があるわけではなく中国よりも日本の方が文献学やイデオロギーの影響が少ない分先を進んでいるのが驚きでした。宮城谷昌光作品とはまた違う中国古代史を楽しめる一冊。2017/03/15

組織液

20
中国史はほとんど手を出していないのですが、紂王の実像について知りたかったので読んでみました。この本に限って言えば、紂王は決して「酒池肉林」に代表されるような暴君ではなかったことがわかりますね。李氏朝鮮もそうですが、中央集権化というとなんとなく先進的でいいイメージがある一方で弊害も多いんだなぁと…。後書きも非常に良かったです。2021/03/18

coolflat

20
甲骨文字をベースに殷王朝の歴史に迫っている。殷の歴史は、司馬遷の『史記』など文献資料がベースになっていた。しかし19世紀末に甲骨文字が発見されたことで、そうした資料状況は大きく変化した。甲骨文字は殷王朝の後期に作られた一次資料であり、王や貴族による占いの儀式の記録であるため、王朝の中枢部における情報を豊富に含んでいた。そのため『史記』など文献資料の記述の検証が可能となり、「酒池肉林」や、暴君の代名詞とされた「紂王(甲骨文字によれば、熱心に政治活動に取り組んだ王とのこと)」は、後代の創作であることが分かった2017/05/05

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