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内容説明
春夏秋冬、人の営みをよそに季節は巡りつづける。目の前を流れていく時の移ろいを、わずかな言葉で瑞々しく描き出すのが、俳句であり、短歌である。現代の句歌は、日常に紛れて見落としがちな事々に生命をあたえ、古人の言葉は今なおかわらぬ心の機微をにじませる。本書で著者は、平生の景色を鮮やかに切り取った古今の俳句や短歌を紹介する。読売新聞連載コラム「四季」の二〇一二年四月から一年分を採録。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
テイネハイランド
10
図書館本。読売新聞連載コラム「四季」(2012年4月~2013年3月)より収録。10(首/句)まとめて紹介する箇所では、4月の芭蕉一門による俳諧「うれしげに囀る雲雀ちりちりと 芭蕉 真昼の馬のねぶたがほ也 野水」、11月の太祇句選「達磨忌や宗旨代々不信心」「目にぞしむ頭巾着て寐る父が皃」、12月の坂口謹一郎氏の短歌「高きより細くビールを注ぎつつ泡み見まもりしまなざし思ほゆ」など長谷川氏による選択がどれも絶妙で楽しめました。その他「兎も片耳垂るる大暑かな」芥川龍之介 などいい作品に多く出合えました。2022/01/26
夏野菜
5
読売新聞に連載されているコラムをまとめたもの。形式は折々のうたに限りなく近い。著者が著名な俳人なので、取り上げられているのは俳句が多い。句集を買って読む、なんてことは無い訳で、それはそれで勉強になります。「お帰りはゆるりとされよ茄子の馬」、「寄せ鍋や合わぬ意見は合わぬまま」。飯田龍太の「春がすみ詩歌密室にはあらず」が一番ぐっと来たか。2014/04/01
るい
3
長谷川櫂氏は、俳人だったのか……!てっきり文芸評論家かと思い込んでいた。そんな彼が選んだ、四季のうた。斬新なもの、時季に合ったもの、それぞれ楽しめた。2018/08/28
むつみ
1
筆者が俳人ということもあり俳句が多い。 心に残る短歌、俳句。 世界中の荒野を舐めてうつりゆく月光はいまわたくしのうへ 米川千嘉子 初蝶の風にぶつかりながら飛ぶ 鈴木庸子2014/07/02
とむ
0
様々な詩歌が味わえる。東日本大震災を詠んだ詩歌も多くあり、それらはやはり胸に迫るものがある。2022/07/24