内容説明
家にも学校にも居場所を見出せず、自分を愛せずにいる14歳の少女・茉莉。かつて最愛の人を亡くし、心に癒えない傷を抱き続けてきた画家・歩太。20歳年上の歩太と出会い、茉莉は生まれて初めて心安らぐ居場所を手にする。二人はともに「再生」への道を歩むが、幸福な時間はある事件によって大きく歪められ――。いま贈る、終わりにして始まりの物語。『天使の卵』から20年、ついに感動の最終章。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ゴンゾウ@新潮部
103
奇しくも続氷点読了直後の作品の為、そのイメージが重なってしまった。共に原罪を背負って生きて来た茉莉と歩太が運命的に出会う。歩太に手を差し伸べられることで救われる茉莉。茉莉を救おうとすることで再生する歩太。茉莉に運命的なものを感じる歩太。歩太の優しさに戸惑いながら徐々に茉莉の心が開いていく。ふたりの関係がとても清々しく神々しさを感じさせる。2017/01/30
りゅう☆
87
母が逃げ、祖母に虐げられた毎日。父と二人になっても部屋に鍵を掛けられる異常な生活を送る孤独な茉莉の逃げ所は性を引き換えにクズ男タクヤの元だった。そんな時歩太と出会う。夏妃や慎一と共に過ごす時間は幸せを感じるもタクヤの脅迫に貶められる。14歳では重すぎる茉莉の現状が辛い。茉莉視点で歩太の心情は描かれてないけど、歩太が背負う苦しい過去を知ってるからこそ、それをようやく受け入れ前に進むことを感じることができて嬉しい。二人の関係性は今はそれが最善策かなと。きっと心の隙間を埋めれるはず。幸せな人生が送れますように。2022/09/29
びす男
82
自分を愛せない主人公の茉莉が、一本槍らに出会って救われていく。一、二作目からまた毛色を変え、読ませる作品だ。「卵」、それから「梯子」の登場人物たちの適度な優しさがよく出ていて、茉莉の視点を通じて「だからこのシリーズは、読んでいて居心地が良かったんだ」と再確認できた。春妃はほんの一部でしか登場しないけれども、彼女の存在が皆のなかで確かに息づいていることが、然り気無いシーンの積み重ねで感じ取れる。いちばん好きなのは梯子だな。大切な人の死と向き合い、自分を許していくという筋で言えば、梯子と柩は共通している。2017/08/06
はつばあば
68
19歳だった歩太も33歳。年齢だけは喰ったが未だに苦しみ傷ついていた。そんな中14才の茉莉と歩太との出会いはまさしく、現在の病巣が媒体としている。10年、20年も前の時代は、鬱が蔓延。傷つくことから始まり罪の意識を取り除く清め?。人と人の出会いとはなんらかの意味があるものだ。出口を探せばどこかにあるはず。「あなたはどうしたいの?」たった一言で相手は救われる。温かい居場所を、老人も立派な大人も、いたいけない子供も求めているのを分からないのは誰?来月の選挙には未来ある若者たちの為になる人を、政党を選んで欲しい2016/06/26
佐島楓
65
人は、だれかと出会い、愛し愛され、赦し合うために生まれてくる。久々のシリーズに入り込めるかどうか不安だったけれど、一部の人間関係を除き、読んでいるうちに記憶がよみがえってきた。あたたかい涙があふれ、なかなか止まらなかった。2016/08/27
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