内容説明
チンパンジー(コモンチンパンジー)、ボノボ(ピグミーチンパンジー)と人間の遺伝子はじつに「98.4%」が同じ。人間は「第三のチンパンジー」。たった「1.6%」の差異が、なぜここまで大きな違いを産み出したか? 分子生理学、進化生物学、生物地理学等の幅広い知見と視点から、壮大なスケールで「人間とは何か」を問い続けるダイアモンド教授の記念すべき第一作が、より最新の情報をふまえ、読みやすくなって登場!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
starbro
72
ジャレド・ダイアモンドの著書は何冊か読んでいます。重なる部分も多いですが、本書で発見することもありました。農耕は正しい道だとばかり思っていましたが、デメリットもかなりあるというのは目から鱗でした。人類は地球に取って、第三のチンパンジーであり、性質の悪い害獣であるという認識を持たないと、近い未来に地球を滅ぼしてしまうかも知れません。各国の指導者達はこの本を読み、自覚を持つように!2016/01/16
カザリ
39
衝動買いしてしまった! 内容は本当に入門書というか、トリビアという感じでした。2016/01/24
akira
27
図書館本。 久しぶりのジャレド・ダイアモンド。今回も様々考えさせられた。 自分が氏の本を好む理由、それはとても興味深い議題を投げかけてくれるからだ。答えを求めるのではなく、何か議題に対してどう考察てきるのか、また何がわからないのか。そういった時間を与えてくれる。この時間は至福の時だ。 ジェノサイドとはなんだったか。善悪ではなくそのメカニズムとは何か。起こる仕組みと繰り返される仕組み。 「なにも学ばれることなく、すべて忘れさられる」2017/08/04
メタボン
26
☆☆☆☆ ヒトはどのように進化してきたのか、それに伴い失われた種の存在にも思いをはせる良書。最終章では地球環境の破壊に警鐘を鳴らす。コモンチンパンジー及びボノボとはヒトは98.4%のDNAを共有している。その違いを考察していく過程が興味深い。隠された排卵と性交、多くの音節を発音できる咽喉構造から言語への進展。農業の功罪(一か所にとどまることによる疫病の発生。これは現在のコロナ禍の暗示とも言える。)。人種の移動による文明の滅亡。ジェノサイド(大量殺戮)の歴史。人口増加と種の絶滅のスピードのリンク。2020/09/14
りょうみや
24
有名な著者だけどレビュー書くのは初。今でこそ人類進化学、進化心理学の本は多いけど原初は91年出版なのでまさにこの分野の先駆けだろうか。著者専門の生物地理学の側面が濃いのが特徴。タイトルの通りチンパンジーとの比較だけでなく多面的に人間について分かりやすく理解できる。巻末の解説で長谷川眞理子氏が日本の高校で人間をについて教えていないと嘆いているが同感。本書やサピエンス全史みたいな内容は教えておいてほしいと思う。読了後に完全版が出ているのを知ったが読み比べたくなった。2023/07/22