内容説明
彼が犯した最後の「罪」とは? 顔には刺青、左手は義手。菊池正弘が営む居酒屋「菊屋」に、古い友人で刑務所を出所したばかりの片桐達夫が現れた。かつてこの店で傷害事件を起こしてから、自身の妻とも離婚し、32年もの間に何度も犯罪に手を染めてきた男だ。獣のような雰囲気は人を怯えさせ、刺青に隠された表情からは本心が全くつかめない――。何故、彼は罪を重ねるのか? 吉川英治文学新人賞受賞後第一作! 著者新境地、魂を震わせる衝撃のミステリー。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ウッディ
336
顔中に刺青を入れ、犯罪に手を染めては刑務所への出入りを 繰り返していた片桐達夫、彼の弁護を担当した中村、馴染みの居酒屋店主の菊池、そして客の荒木、片桐にこれ以上罪を犯してほしくないという彼らの温かい眼差しの中で、片桐が人生のすべてをかけて果たそうとした目的とは?貧しいながら仲睦まじい家族3人の人生を大きく狂わせた事件と片桐の後悔と自分を罰するような彼の生き方が切なかった。手段は間違っていたかもしれないが、彼なりのけじめのつけ方を娘のひかりに理解してもらえたと信じたい。。2021/01/09
こうじ
308
⭐️⭐️⭐️⭐️4/5 この小説ヤバすぎる!一気読みでした。片桐はなんて愚かで馬鹿で不器用な人間なんだ。でも、究極の愛を貫いたと思う。かっこ良すぎるよ!孤独で誰にも理解されずに凄すぎる!女性から目線でこういう男性はどう思うだろう?良い本でした!2016/08/06
まちゃ
294
顔に豹柄模様の刺青。32年間に何度も犯罪を犯し、人生の大半を刑務所で過ごした男・片桐。彼と関わった人たちの語りから片桐の人となりを明らかにし、彼の行動の裏に隠された悲しい真相に迫る展開に引き込まれました。少し軽めのミステリーでしたが、楽しめました。2016/09/11
しんたろー
287
好きな薬丸さんの「新境地」という売り文句に釣られて購入。まるでアクション物の ような装丁と題名から想像していた内容とはかけ離れていたが、薬丸節は健在。 一気読みの面白さだが、ファンにとっては若干軽めにも感じる。5人の視点から 主人公の男が浮き彫りになって段々と共感していた。そして、最後は切なくて涙が 滲んだ。不器用過ぎて普通に生きられなかった男だが、妻や娘への愛が誰よりも 純粋で、重いサスペンスでありながら哀しい純愛小説にも思えた。 (『友罪』や『神の子』の方が読み応えがあって好きだけど・・・)2016/10/18
ダイ@2019.11.2~一時休止
266
犯罪を繰り返すオトコのその理由とは?。視点が変わるたびに同じシーンが繰り返されるのがやや難点ではあるが、流石の薬丸さんらしい作品で面白かった。2016/07/23
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