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内容説明
まだ日本に本物のフランス料理が知られていなかった1960年代、単身、本場で修業した日本人がいた!
それが東京・京橋にある自分の店『シェ・イノ』で、30年以上にわたり本物を供してきた井上旭である。
名店『トロワグロ』の調理場でトロワグロ兄弟から薫陶をうけ、フランス料理の新しい潮流「ヌーベル・キュイジーヌ」の正統な系譜に連なる。全盛期のパリ『マキシム』でレストラン文化の頂点を体験・・・こうした日本人ばなれした体験から生み出された井上の料理哲学とは。伝説のシェフ、初の著書。
電子書籍では新書に収録されていない代表的な料理の写真を収録しています。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
penguin-blue
31
昨年他界された東京京橋のフレンチの名店、シェ・イノの井上シェフへの聞き書き本。海外修行の足場もなく、日本ではまだ本場の食材も、それを食べたいと思う人も稀少だった時代に体当たりで道を切り開いてきた先人達の挑戦に畏敬の念を覚えずにいられない。海外でも和食が浸透し、西洋料理レストランでも和風アレンジが取り入れられている中、あえて「フレンチの王道」にこだわり続けたことに先駆者としての矜持を感じる。破天荒で冒険心に富み、同時に店の仲間やお客様に対して、深い愛情をもって接した名シェフの生き方、考え方がよく描かれている2022/04/28
keroppi
20
料理人つながりというわけではないけれど、フレンチの「シェイノ」井上旭シェフの自叙伝を読んだ。井上シェフの料理と言葉には、少なからず影響を受けている。美味しい料理を作り上げる思いの強さを感じる。2017/01/20
Kentaro
2
ダイジェスト版からの要約 お客様を納得させ、「美味い!」と唸らせる料理を、いつも何品か置き、それらがいつも同じ味で高水準で提供されていなければグラン・メゾンたりえません。けれど実際には、その日によって素材の状態も違うし、天候や自然条件も異なります。またダイニングを埋めたお客様の醸しだす空気感も微妙に異なりますから、常にお客様に満足していただく水準の料理を提供するには、素材の状態と、お客様の状況と変化、それらの振り幅を十分に把握しながら、一つの答えを導いていく方程式が必要で、それがフランス料理の醍醐味です。2018/04/09
くものすけ
2
凄まじい人生だと思った。お客より美味しい料理を食べていないと、美味しい料理は提供できないという言葉には何となく説得力を感じる。ソースはフレンチの決め手とは薄薄聞いてはいたが、上手に作るのは並大抵の努力ではできるものではなさそう…2017/12/10
Akiro OUED
1
ロマネ・コンティに負けない料理を、とか、飲みすぎで体調不良だよ、という客に対して、シェフの感性で創作するシェ・イノ。失敗はなかったの?シェ・イノは最高のフランス料理を出すという評判が、客の味覚にまじないをかけていた可能性あり。へんてこな味がするのは、舌が未熟だから、とかね。2019/10/22