内容説明
楽な仕事なんてない。でも、「好き」と言える仕事がしたい! 京都の老舗旅館を舞台に、新人仲居の奮闘とそのリアルな心情を、日本ラブストーリー大賞受賞の著者が描く、元気が出るお仕事小説。京都市内の会社で事務をしている坂瀬川虹子(22)は、単純でやりがいのない仕事、職場でのセクハラに倦む日々を送っていた。しかし、上司の送別会で訪れた老舗料理旅館のサービスに心を打たれ、その旅館で働くことを決意する。意外にもあっさり採用される虹子だったが、仲居の仕事は、右も左もわからぬことばかり。キックボクシングの世界チャンピオンである夫が浮気して喧嘩中の夫婦、口うるさくて気難しい料理評論家、「おこもり」に長期逗留するわがままな脚本家など、一筋縄ではいかないお客様たちに対する中、虹子が見出した「働くことの意味」とは。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ゆみねこ
73
京都の老舗料理旅館の仲居に転職した虹子。やる気はあれども失敗ばかり、思いもかけない大失敗に落ち込んだり、虹子の奮闘に救われる夫婦が居たり。お仕事小説は好きなので、楽しく読めました。虹子と女将さんのエピソードは、蛇足では?2016/12/22
ぶんこ
62
著者初読み。料亭旅館が、こんなに綱渡りのような部屋割というか、高級旅館に泊まりに行って、食事だけのお客さんでわさわさしていたら・・ちょっと嫌かも。繁盛しているという事なのでしょう。やりがいのある仕事なら、勤務時間やお給料、福利厚生などは気にならなくなるので、虹子さんにとっては仲居のお仕事は天職ですね。桜小路さんが素泊まり35,000円を3,500円と思い込んでいたのには笑った。いかにも私がやりそうな事だ。2016/10/18
ダミアン4号
51
魂がやりたいと思う仕事を!という一念で普通のOLだった主人公が京都老舗旅館の仲居の仕事に飛び込む…一癖ある来客達に振り回され、古参の元仲居頭にはいびられて“七転八倒”しつつ成長していく主人公。女将や旅館の先輩従業員達が語る言葉にハッとしながらフムフムこれは“仲居さんという仕事”に限った話じゃないよなぁ全ての人間関係に活かせる事なんじゃ?と独り納得(笑)人をもてなす事の大変さを改めて感じました。冒頭、老舗旅館の癖にやけにあっさり素人を採用したなと思ったら最後にこんな“種明かし”が…なるほどそういう訳ね(笑)2016/09/12
ももんが
45
★★★☆☆今の仕事を始めて四年目になる虹子。何が違うと思い始め、そんな中部長の送別会で料理旅館「かぐら屋」に出会う。 「かぐら屋」でのおもてなしを受け、「かぐら屋」で働くことを決意する。 ところどころでの言葉が胸に響く。人間少しは見返りを期待してしまうと思う。おもてなしは見返りなど関係ない、ただどんなお客様であろうと愛おしく思うこと、好きは感情、愛おしむは感謝。そんな風に思えたら自分も幸せな気持ちになれるのかな。まだまだ修行が足りないです(*´Д`*)2019/01/14
keith
28
一念発起してOLから料理旅館の仲居に転職した虹子のお仕事小説。やりすぎ感がなくもないが、エンタメと割りきれば面白かった。2017/03/27