内容説明
吉田茂を源とする自民党主流の政治を追い続けてきた、毎日新聞を代表する“保守本流”政治記者・岸井と、保守と対峙し続けてきた“市民派”論客・佐高が、「本物の保守」とは何かを語り、安倍晋三とその取り巻きたちの虚妄を鋭く衝く!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Isamash
35
2016年岸井成格(NEWS23アンカーであった)と佐高信の対談書。安倍晋三に関しては特に新情報は無かったが、保守本流(吉田首相から宏池会へつながる系譜)の番記者であった現在の自民党に惨状に対する岸井の嘆きがよく伝わってきて感慨を覚えた。小選挙区制度への移管が、その推進役でもあった岸井も認めるように、多様性を存在を自民党の中から奪ったらしい。小泉元首相も独裁を産むと小選挙区に反対したらしい。岸井が、外相・園田直、幹事長・保利茂、沖縄開発庁長官・野中広務らの複眼的思考を、保守の知恵者として評価。納得である。2022/09/24
matsu04
28
安倍政権を手放しで礼賛する太鼓持ち本を読んでしまったため、お口直しに本書を手に取った。岸井と佐高、立場は異なるものの、両名とも現政権には手厳しく、「安倍は保守〝傍流〟だ」、「かつて本流政治家にはあった〝保守の知恵〟が、今の自民党にはない」と指弾する。なるほど。2016/08/09
こも 旧柏バカ一代
25
4年前の本。岸井さんは亡くなってる。安倍政権までに至る自民党の派閥の流れと、その時々のキーマンについての話だった。今の単純化、言論統制された自民党よりも、昔の多派閥がそれぞれの論調を自民党内で切磋琢磨した自民党の方がマシだった。それを壊した小選挙区制については、小泉純一郎が「独裁になる」と反対していたのが本当になった。その独裁になる礎を作ったのが小泉純一郎だというのもなかなかに・・ そして、野党はまとまりきれない。特に小沢一郎を毛嫌いしている連中が頑なに邪魔をしてくる。 いまを見るにソレは変わってない。2020/02/10
カープ坊や
20
真の保守本流を見続けてきた岸井成格による「保守がタカ派に乗っ取られた」になるほど納得! 戦後の保守本流から現在の超極右政権にいたるまでの自民党と保守の崩壊の流れがよくわかる一冊!2016/10/16
ひかりパパ
13
戦後の自民党の流れがよく分かった。政治記者出身の岸井さんの話しがリアルだ。官邸から相当な圧力を受けながら、志を貫いた姿勢が印象に残った。2019/05/25