内容説明
「鈍根」ゆえに武芸師範の家を継ぐことができず、父によって左手の指を切断され、藩士末席の小普請に落ちた若者、田宮弥太郎。彼が、周囲からの侮蔑に耐えながら、ついに右手一本で体得した「秘剣」とは――。剣に生き剣に死ぬ、信念に生き信念に死ぬ。誇り高き者たちの織りなすさまざまな人間ドラマを、ペーソスとともに、いつくしみこめて描き出した、力作士道小説7編を収録。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
糜竺(びじく)
21
直木賞作家の白石一郎氏の時代小説の短編集。その中の特に私としては「秘剣」はウルッときた。おすすめです。2020/08/17
TheWho
14
海の題材を得意とする歴史小説家が描く、時代短編物語。朝鮮出兵と秀吉の支配に反発し梅北一揆を起こした薩摩隼人の梅北国兼、大阪夏の陣の経緯からやってきた女、鬱屈した長崎勤番武士、剣術道場間の無残な仇討ち、朴訥な示現流達人の江戸始末記、父により左手の指を切断された武芸師範の息子が会得した表題の秘剣、そして西南の役時に密偵として長崎に来た薩摩武士と芸者の顛末と七編の物語。共に哀しく過酷な悲劇の後に漂う温かみが象徴的な一冊です。2016/03/25
タツ フカガワ
9
7話収録の短編集。田宮流の道場で五代目になるはずの田宮弥太郎だが、父から才能なしと断ぜられ、しかも剣に未練を持たないようにと左手の指4本を切断される。紀州藩家中で侮蔑、揶揄される弥太郎は、孤独のなかで無敵の秘剣をものにするのが表題作。苦悩する弥太郎を孤独のなかから引っ張り出す信乃の姿に胸を打たれました。そのほか「やってきた女」「示現流颯爽剣」もよかった。2019/12/20
Kemmel
4
藤沢周平の"秘剣"シリーズ好きなら必読!と推薦されることが多い時代小説短編集。収録作は戦国時代から明治初期までとバラエティに富んだ7編。表題作「秘剣」は秘剣の生み出された過程と清々しいラストが印象に残る。初読の作家さんでしたが時代考証に綿密さがうかがわれ、好印象な一冊でした。2012/07/19
こぺたろう
1
短編集。 表題作のほかにも面白いもの(特に1,2,5)あり。 2012/10/12
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