内容説明
国語の統一こそ一国の独立の標識なのだ。日本が近代国家となるためにも、一日も早くこの辞書を完成しなければならぬ……。子を失い、妻に先立たれながら、17年間を費し、遂に明治24年、大槻文彦はわが国初の近代的国語辞書『言海』を完成させた。〈近代国家・日本〉の確立に献身した一人の明治人の姿を、激動の時代に重ね合せて感動的に描き出す。大佛次郎賞・亀井勝一郎賞受賞。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
らぱん
54
近代日本における初めての国語辞典「言海」をたった一人で編纂した大槻文彦の伝記…と思っていたのだが、幕末を中心に据えた明治から昭和までのゴリゴリの歴史小説だった。 三代前の祖父の玄沢から始まり父の磐渓、そして文彦と兄の如電に受け継がれていく学者一家の系譜をたどる。激動の時代における学問はどうあるべきか、学者の役割は何か。 国家の概念が無ければ国語も無いわけで考えたら当たり前なのだが、近代国家を一から作るとはなるほどこういうことか思い、本邦初の国語辞典編纂は極めて政治的な事業だったのだと理解した。↓2020/08/29
あやの
45
「舟を編む」の日本初バージョンくらいに思って読み始めたら、全く違っていた!江戸時代から明治時代にかけての、日本が諸外国と肩を並べるにはどうしたら良いかという切実な問いから始まったプロジェクトだった。国語文法を整え、外国語辞書に比肩する国語辞書を作らねばならないという、とてつもない目的を一人で背負って成し遂げた大槻文彦の伝記だった。彼の確たる信念は、祖父や父から受け継いだものであることが解る。幕末から明治時代の激動の時代を生きてきた人間だからこそ、ここまでの事業を成し遂げられたんだろうと思う。2022/10/02
てんちゃん
37
明治時代に日本初の近代国語辞書『言海』を独力で完成させた大槻文彦の伝記。幕末から明治にかけて外国からの圧力と国内の動乱の最中、辞書をつくること国語を統一することは、言葉の問題のみならず大きな思いが込められたものでした。日本人の同胞意識を高めるために、外国に対し独立した近代国家として認められるために。大槻文彦は使命感のもと一人で17年を費やして国語辞典『言海』と語法指南書『広日本文典』を作り上げました。ちなみに『言海』の増補改訂版は『大言海』です。某ベストセラーで作中、編んでいた辞書の名前は『大渡海』。2018/11/03
まさ
33
国語辞書を完成させた大槻文彦の生涯。明治期、西洋文化が押し寄せてくる中で国の方向性が問われていたように、持つ言葉を形作ることも必要であった。そのための初の辞書が『言海』。国家プロジェクトでありながら編纂に16年を要し自費出版となった苦難の道を知ると、明治の動乱がこと激しいものだったことがひしひしと伝わってくる。意味を持つ言葉があり、それを正しく用いなければ他と渡り合えない。言葉の重要さと気骨ある人生を学ばせていただいた。2021/02/14
ちくわ
18
幕末~明治において、欧米列強から日本の独立を守り抜く!という強い志を持った、大槻家のファミリーヒストリーです。大槻文彦の功績は、国語辞書だけでなく、文法の確立がとても大きく、現代日本語の礎を築いたと言ってもいいのに、まさかの自費出版とは驚きですね。(☆4)2025/05/27
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