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内容説明
「ゼロ金利は利潤率ゼロ社会」「資本主義の死」。気鋭の経済学者・水野和夫。これまで多くの著書で、成長なき社会の未来像を、16世紀以降の世界史を背景として引用し研究してきた。本書は、水野氏が東洋英和女学院大学大学院で半年にわたり語った講義を収録し、独占書籍化。なぜ成長社会は止まったのか? 帝国システムとグローバリゼーションにおける支配と被支配の関係とは? 貴重な講義の内容から、滅びゆく資本主義と水野理論の根幹に迫る。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
樋口佳之
6
日本よりずっと賢明に見えるドイツが再生可能エネルギーへの転換を急いでいるのは次世代の覇権を視野に入れているからだと考えているのだけど、石油についての考察があるのに、エネルギーシフトについての考察が無いのが残念でした。2016/08/11
まゆまゆ
5
グローバリゼーションをはじめとする近代社会はどのような経緯を経てきたのか、歴史から紐解いていく内容。北側の先進国で投資先がなくなったため、南側の新興国に対して投資するようになったのが発端。しかし安い資源を輸出しても高い製品しか買えず、南側は全く豊かにはならない。原油価格が変動し、かつての日本のような高度成長を行う国はもう見込めない。日本はむしろ蓄えたストックを維持するための低成長で構わない、という主張。2016/11/21
いっちゃ
3
資本主義の行き着く先。具体的には開発先がアフリカにまで到達したことで、未開の地はなくなり、必ず成長していくという近代が終わるという指摘。大国は覇権国家となるか帝国国家となり、アメリカは帝国化していて、日本はその下に組み込まれているという指摘も納得。2016年の本だがロシアによるウクライナ戦争、ミャンマー軍事政権の暴走など近代が終り新しい秩序が産まれるであろう今の時代を読み解くのに役立つ。2022/09/08
Hiroki Nishizumi
2
たいへん面白く読めた。現状に至るまでの歴史や背景の勉強になる。バックボーンが膨大なので消化しきるためには何度が読み直す必要がありそうだ。2019/04/11
gokuri
2
資本主義の本質的な動きとして、富めるものがどんどん富む仕組みがある。先進国が周辺を巻き込んでどんどん利潤を増やしていくこと、原油価格の安値安定がその基礎的条件としてあったことを指摘する。世界的な開発が行きつくところはさらなる格差の拡大なのか。こらからの資本主義を含む世界経済における、中国の役割をぜひ著者に聞いてみたい! 2016/09/25