神経ハイジャック ― もしも「注意力」が奪われたら

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神経ハイジャック ― もしも「注意力」が奪われたら

  • ISBN:9784862762146

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内容説明

<p>Book of the Year四冠、アマゾンBest Books of Month受賞
ピュリツァー賞記者が「現代人の病理」に迫る科学ノンフィクション
</p><p>ながらスマホは命を奪う!?
飲酒運転以上の衝突リスク、20分の1まで視野低下、記憶が曖昧に。
脳はすごい。だが限界を超えるとコントロール不能になる。その先には…?</p><p>ニューヨーク・タイムズ記者が、人間の注意力を扱う最先端サイエンスと
謎めいた自動車事故をめぐる人間ドラマを織り交ぜながら、
テクノロジーが人間の脳にもたらす多大な影響力を探る。
※日本語版特別付録として、「ながらスマホ研究」の第一人者、
小塚一宏教授(愛知工科大学)による解説を収録。</p><p>「マルチタスクが可能な電子デバイスと、シングルタスクをむねとする人間の脳のあいだに存在する、
ときに命にさえかかわる緊張関係を解き明かす。読みだしたらやめられないだけでなく、
これは人の命を救える一冊だ」――ニコラス・カー、『ネット・バカ』『クラウド化する世界』著者</p><p>■もしも「注意力」が奪われたら? ある青年に起きた悲劇を、最新科学が解き明かす
2006年のある夏の日、米ユタ州に住む青年レジー・ショーが、運転中の「ながらスマホ」によって
衝突事故を起こし、2人のロケット科学者が命を落とした――。本書はこのレジーに焦点を当て、
悲惨な事故、警察の捜査、州当局による思いきった起訴(当時はほとんど前例がなかった)、
そして判決からレジー本人の贖罪までのドラマを丹念に追う。</p><p>またこれと並行して、人間の注意力、テクノロジーが脳に及ぼす影響について、
デイビッド・ストレイヤー(ユタ大学・認知心理学)、アダム・ガザリー(カリフォルニア大学・脳神経学)
ら科学者の知見をもとに紹介する。そこで明らかにされるのは、いまや私たちの日常にすっかり根づいた
各種デバイスが人間の奥深い社会的本能に作用し、刺激を求める脳の部位を疲弊させ、
結果的に限りない衝動、さらには依存症をも引き起こすという事実だ。</p><p>■テクノロジーが持つ多大な影響力を、ピュリツァー賞記者が掘り下げた話題作
著者は不注意運転のリスクと根本原因を明らかにし、広く警鐘を鳴らした一連の記事でピュリツァー賞を受賞。
本書は一般読者から研究者、ジャーナリスト、政治家までに絶大に支持され、Best Books of the Month(Amazon)、
Best Book of the Year(Kirkus Reviews, San Francisco Chronicleほか)などに輝いた。
(原題:A Deadly Wandering: A Tale of Tragedy and Redemption in the Age of Attention)</p>

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

mitei

330
簡単に読んでみたが、運転中のスマホ、携帯の操作をするというのは脳を支配されているということを実感した。2017/02/08

Willie the Wildcat

45
技術革新に伴う社会変革の必要性。問題は前例がないことと、前者の速度。加えて、事件・事故が起きてから法制化される”時差”。本著は携帯電話の功罪を科学/社会面から法廷という時間軸で検証。怖いのは依存性。私自身の生活も、24/7、場所も問わず仕事可能。公私にもれなくデジタルの呪縛の罠。故に、アナログ時間は意図的に確保。特に文字の読み書き。読書はもちろん手書きのノートは、ビジネスでも必須。子供たちともデジタル弊害を踏まえた”Bottom”をルール化。親であっても無論例外は無し!時にきついが・・・。(笑)2017/03/27

ふぇるけん

17
500ページを超える大著だったが、『注意』に関する非常に面白い内容だった。『注意とは有限な資源』であり、現代人はこの資源をさまざまな刺激によって取り合いされている。昔ながらの音楽ビジネスが危機にあるのは、他の選択肢によって聴き手の注意を持続できないため。この本では携帯メールをしながら運転して死亡事故を起こした事例を取り上げている。研究によるとメール送信後、安全運転できる状態に戻るまでに15〜20秒ぐらいかかるらしい。2017/10/11

Koichiro Minematsu

17
車の運転をしながら、スマホでメールの送受信をするということは、当然危険だが、それを事実手を動かして実行してしまう。それは、その人の脳がハイジャックされている。スマートフォンに。便利だとつい、いつでもと考えてしまうところに恐ろしさがある! きっと交通事故の原因をよそ見だけで終わらせてはならないと思う。いつかは、我が身。思い知らされた。2016/10/16

泰然

13
2009年の米国ユタ州、19歳の青年レジーが「ながら携帯電話メール」の交通事故を起こす。死者2名。しかし彼に事故当時の記憶は無かった...。本書は悲惨な事故における秀逸な人間ドラマであると同時、「注意力の科学」への取材を通した、現代人の病理に迫る迫真の科学ルポだ。テクノロジーの進化と普及により、ヒトのタスク処理数は増加したが、神経科学の研究は「注意力」は有限の資源で、ある刺激に注意が向くと人はそれ以外のことが留守になるとする。ながら作業が人の命を奪い、逆に生産性を落とす事実がビビッドに生き方を問いかける。2019/08/14

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