内容説明
幕末から明治の激変期を、熱く描く短編集。日本を追われたシーボルトが、許されて再び長崎港の岸壁を踏んだとき、娘お稲の胸中には……。文明開化の日本人と、訪れてきた異邦人との愛憎を描く傑作短編他。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
shizuka
48
『千亀亭事始め』。置屋「扇芳亭」にパリ興行の話がやってくる。国内旅行でさえままならないこの時代にパリ!気っ風にいい女将、千亀は迷いもなく引き受ける。芸者たちも大騒ぎ、パリってどこ?エゲレスじゃなかった?という風に。和食が食べられないだろうから、板前も連れて行ってしまえと、準備すればするほど大所帯に。てんやわんやでパリについたら、それはもう蝶や花よともて囃され興行は大成功。欧州人がジパング芸者の絢爛豪華さに目を見張る様子が手に取るように分かる。最後はきっちりハッピーエンドでご満悦。他5編、幕末明治の物語集。2017/01/14
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6
史実にヒントを得た6つの短編集。手練れた、味わいの深い佳作ばかりなのに、著者の短編集の多くが絶版になっているとは信じられない。甲乙付けられず全部がお勧めだが、中でも「千亀亭事始め」「ひっぺがし物語」のエンタティンメントが楽しい。他方、「逢魔の辻」には人間の業の恐さについて考えさせられた。2019/08/07
高橋 (犬塚)裕道
2
星4.5。杉本苑子は初めて読んだ。上手い!快活に読ませる上手い小説。この文庫が現在も売っているかどうかは不明。私は1992年発行の講談社文庫を古本屋で買った。今後も杉本苑子を読んでいきたい。 2015/07/14
chris the bookwalker
0
文明開化の頃のお話を集めた短編集。短編とはいえ、どの話も内容が濃くて、堪能した。特にヨーロッパへ興行に行く芸者の話には、ワクワクした。最後の話は収まりが悪くてもやっとする。実話を元にしているのかな。2018/10/31
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