内容説明
回り道をしなければ、見えないことがある。仕事にも、人生にも。――未知の経験を求めて経営コンサルタントから転職した笹島彩夏は、社命を帯びて子会社に出向してきた乾紀実彦とともに、新しい営業補助システムの開発に携わる。しかし強烈な個性を持つ社長の岩佐が支配する子会社の中で、余所者の二人は周囲からの反発と見えない壁に翻弄されて……。「会社」という闇の中で、二人が見出したものとは?
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
りつこ
38
ところどころがかなりリアルな会社員小説。リアルなだけに会社嫌いな私には全く楽しくない小説だった。下町ロケット読んだときはこんな夢物語、けっ!と思ったが、これを読むとこんなものを本でまで読みたくはないわ!と思う。私には合わなかったな。2016/08/16
おかむら
33
新規プロジェクトに取り組む会社員小説。といっても池井戸さんのような手に汗握る熱い物語ではないです。地味。しかしこの地味さがとても面白い! 親会社と子会社、営業課ごとの対立、課内の人間関係等々、ほぼ社内の折衝に終始するのが実にリアルでいいの! 安藤課長とか派遣の飯干とか、実際いそうだこういう人!2016/12/15
ASnowyHeron
31
この作品は”お仕事小説”になるのだろうけど、どうも平板で熱くなるものもなく、読了してしまった。2016/07/16
TATA
26
話自体は抑揚なく淡々と進む。それでも社内外の様々な軋轢も含めかなりリアル。思えば我々サラリーマンの生活ってこうだよなと。そういう意味で示唆の多いお話でした。2016/10/29
あんパパ
20
日々の地道な仕事を積み上げていくような「仕事」小説というより「会社員」小説かな。倍返しも出世も栄光もないがほとんどの「働く」はこんなものかと思う。「心臓」のある仕事にはいつも接していたいとは思う。 静かだけど面白い小説だった。2016/08/04