内容説明
お江戸日本橋で、元盛岡藩士が切腹した。そこには長年にわたって確執のある弘前藩を弾劾する高札が掲げてあった!
直参旗本ながら無役の神木家嫡男、光一郎と、剣の達人である村越重吾は、元鳥取藩主・松平冠山の依頼で、蝦夷地に関係する事件を調べるうちに、弘前藩と盛岡藩の争いに巻き込まれてしまう。その争いの中心には、かつて光一郎と重吾と厚い親交を結んだ盛岡藩士・相馬大作の姿があった。
主君の恥辱をそそぐべく弘前藩主の命を狙う大作。主君への忠、武士としての義が生んだ結末とは。
「みちのく忠臣蔵」と呼ばれた史実をもとに、ミステリータッチで描かれた壮大なドラマ。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
衛兵
20
忠臣蔵と言っても、赤穂浪士の話ではない。盛岡南部家臣、相馬大作こと下斗米秀之進が、弘前藩主津軽寧親を襲撃しようとした事件を、旗本、神木光一郎目線で描く。大作の忠義も、敵方の笠原の忠義も、実は同じであることが悲しい。2018/12/19
金吾
11
相馬大作を登場させていますが、主人公は別の人間です。家に対する忠義と主君に対する忠義について考えることができました。2020/05/12
タツ フカガワ
11
旗本の嫡男神木光一郎と御家人の嫡男村越重吾は、心中しようとした若い男女を助ける相馬大作を手助けしたことから親交を深める。やがて光一郎は、後にみちのく忠臣蔵といわれる恩讐劇に関わっていくことに。一種ミステリー仕立てのように進む展開が面白い。そこに光一郎と関わる人たちの人情劇が物語を膨らませて、最後は何度うるうるしたことか。ちなみに2か月前に読んだ宇江佐真理さんの『三日月が円くなるまで』と同じ題材でしたが、作家の個性が表れるようで、それも含めて興味深く読み終えました。2018/03/26
トラジ
8
良い話なんだけど御家騒動の当事者ではない神木光一郎の視点で物語が語られているため、なんだかボケた感じ。文体が読みやすく心の機微が伝わる表現が自然体で好印象。2016/05/24
kazukitti
4
これのちょっと前に、宇江佐さんの同じくみちのく忠臣蔵の相馬大作事件の読んだけど、読後感はこっちのがよかったよね。ドラマとしてキャラが出来すぎってのはあったんだけど、武士というのは男とはってのをちょっと突き放した感じの視線よりも、それでも~だからこそ~ってあたりの描写があるのが熱い感じしたね。個人的には、宇江佐さんの方が実像に近いんじゃないかなぁとは思うけど、キャラとして見るとコッチの方が好漢なんよなw2022/08/04
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