18歳からの格差論―日本に本当に必要なもの

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18歳からの格差論―日本に本当に必要なもの

  • 著者名:井手英策【著】
  • 価格 ¥1,100(本体¥1,000)
  • 東洋経済新報社(2016/06発売)
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  • ISBN:9784492223710

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内容説明

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日本の格差の有り様と原因に独自の角度から光を当て、「必要原理」にもとづく大胆な財政戦略を提唱する井手英策教授が、若い人たちのためにデータを駆使して訴えるまったく新しい啓蒙書。

【主な内容】
1 「格差是正」に心が動かない僕たち
■格差を是正したいですか?
■税への抵抗が強い社会は、誰かのための負担をきらう「つめたい社会」
■貧困にあえぐ人びとを「見て見ぬふりする社会」を僕たちは生きている

2 日本人の不安の根っこにせまる
「3つの罠」、そして「分断社会」

■社会全体を覆っている「弱者へのつめたいまなざし」
■中間層が貧しくなり、弱者へのやさしさが失われた
■「自己責任社会」では、「成長の行きづまり」が「生活の行きづまり」になる

3 分断社会・日本
「失われた20年」、何がいけなかったのか?

■分断社会・日本
■池田勇人首相の思想――自分で働き、自分の足で立つことこそが重要
■小さな政府、貧弱な社会サービスこそ、高い貯蓄率を生んだ大きな原因

4 中高所得層も納得して格差是正ができる「必要の政治」とは?

■「救いの手」は救済であると同時に、確実に、そして深く、人間を傷つける
■人間を信じられず、成長できない社会を望みますか?
■発想の大転換、思い切って中高所得層も受益者にする

5 人間の違いではなく、人間の共通性に想いをはせてみませんか?

■「必要の政治」は「お金なんかで人間を評価しない」という哲学
■「必要の政治」とは、受益感を高めながら租税抵抗を緩和するという戦略
■「バラマキだ!」と批判し思考を停止させる、そんな政治を終わらせる

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヒデミン@もも

50
児童向けのようなイラストが分かりやすかった。が、学者らしい哲学的な経済論は難しい。リベラルな人は「格差是正」「人間の権利」を大切にし、保守の人は「自己責任」「自助努力」を重んじる。アメリカのトランプ王国の本を読んだあとで複雑。だけど、日本でも昭和より今の世の中のほうがずっと良い暮らしをしていると思うのは、私が貧乏育ちだったから? 昔の方がずっと格差はあったと思うけど。。。 親は今、理想の職業らしい公務員だったけど。教えて井手先生!2017/02/28

レモン

40
イラストとわかりやすい文章で書かれているので、格差について知るための入門書にも最適。鬱々とした気持ちを抱える中間層が、なぜこんなに生活が苦しいのかを知るためにも役立つ。自己責任って知らず知らずのうちに使っているが、改めて嫌な言葉だと感じた。弱者を助けるのではなく、全員で負担し、全員がサービスを受けるとは、例えばどういうことなんだろう。具体的なイメージが湧かない。犯人探し・責任追求の政治は、国はもちろん、もっと小さい企業や地域、家庭単位でもダメだよなぁ。2022/04/07

コウメ

40
格差ってなんで生まれるの?理由は簡単、中間層の人が低所得者に対して、信用や信頼しないから叩く。生活保護受給者は本当に働けない人や不自由な人のためにあるのに、わずか全体の0,5%の不正受給がいたら、生活保護=悪!みたいな偏見を持つようになる。国が不況になる理由!グローバル化によって企業にとって好都合の人を雇う。だから消費が少なくなる。商品の価値が下がるいわゆるデフレ経済になる。あとは悪循環の繰り返しバブル期は逆ね。税金を払うことで未来の投資になるのに(教育、公共サービスなど)国民は税金が少し上がると騒ぎ出す2019/04/17

モリー

40
生活保護の不正受給は全体の金額で見て0.5%に過ぎない。しかし、犯人探しは広がっている。貧しい人に「冷たい社会」は、「つながりの危機」に直面した「分断社会」の一断面と著者は言う。中間層が弱者を批判し、人々は政府を罵り、お年寄りと若者が対立する構図から抜け出すためにどうすればよいのか。著者は、このような構図が生まれた原因を説明した上で、解決策を提案する。それが「必要の政治」。「所得制限」を弱めて貧しい人たちにも所得の多い人たちにも分け隔てなくサービスを提供する戦略。分断線を消すための処方箋が示されている。2018/10/08

きいち

36
丁寧な編集ぶりがいい。◇格差拡大・社会の分断を感じている人であればあるほど、それを認めない人のことを理解しようとせず、かえって分断を強いものにしてしまうリスクを持つ。この本はまず、日本の社会の「冷たさ」を冷静にわきまえることからスタートし、「皆を受益者とする」という発想の転換から格差縮小の「実」をめざそうと提言する。◇この提案、富裕層への分配も同時に行うものだけに、本来味方のはずの人々からの反対も受けやすいもの。まずはそんな、いわば後ろから弾を撃つ人を減らそうという狙いだな。結果へのフォーカスに共感する。2016/09/02

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