内容説明
視聴率の暴落、初の営業赤字、世論の反発……かつての“王者”に一体何が起きたのか――。一九八〇年代に黄金期をもたらした組織改革は、お台場への社屋移転等によって効力を失い、番組から斬新さは失われた。さらに日本テレビの猛追、「韓流びいき」批判も加わり、フジテレビは王座から滑り落ちた。情報番組のプロデューサー等を務めた元社員が、自らの経験や関係者への取材をもとに、巨大メディア企業の栄枯盛衰を描く。 ※新潮新書に掲載の写真は、電子版には収録しておりません。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ゆにこ
66
フジテレビの歴史が延々続き、肝心のなぜ凋落したかは、あまり語られず。煽るようなタイトル。フジテレビは成功体験を忘れられず、いまだにバブルを引きずっているイメージ。2016/05/31
リキヨシオ
40
「楽しくなければテレビじゃない!」で一世風靡したフジテレビ…最近は視聴率の低下と不祥事で没落したイメージが強い。タレントとスタッフが一体となる番組作りがなあなあの関係を作り、番組を使って連続で宣伝する商法が「韓流騒動」で裏目となり、テレビ局が創る「楽しい事」が視聴者からすれば古くて楽しくない。そして震災によって素直にテレビを楽しむ風潮が変わった。テレビっ子の自分からすると…最近のテレビは安定志向で印象に残らない番組が増えた。同じ司会者出演者でどれも似た内容。特に何でもかんでもワイプをする意味が分からない。2016/04/09
gtn
37
80年代天下を取ったときに芽生えた社員のエリート意識、スノビズム。視聴率主義に徹し、がむしゃらな日テレに後塵を拝しても、危機感を抱くこともないまま、及第点程度の番組を作り続けた結果、凋落が始まったと説く著者。後は上司は部下に、部下は上司に責任の擦り合い。心がバラバラでは勝てない。個人的には、マッコイ斎藤の演出のお陰で上向き加減だったとんねるずの「した」を終了させたとき、フジも終わったと思った。ただ長寿番組というだけで、上層部は旧態依然と判断したか。2021/07/08
tetsu
31
★3 フジテレビの元プロデューサーが書いた本。 子供二人はほとんどテレビは見ないし、 私はNHKの視聴率が高く、民放はCMをSKIPしながら録画を見るという生活なので、視聴率競争、視聴率至上主義なとちょっとピントがずれているような感じ。企業のCMをメインの収入源にする民法テレビのビジネスモデルはもはや限界かもね。2016/08/06
としP
30
コンテンツ業界って、結局は「人」なんだなぁと思った。一流企業っていう意識をもっちゃうと、面白いことができなくなる。「こんなバカな作品作れるかぁ」ってなっちゃうんだね。それから、セクショナリズム。どの業界でも起こりうる。会社が大きくなればなるほど。他の部門との連携が良い商品を産むのだが、それが損なわれる。2017/10/01