内容説明
1990年に東西ドイツが統一されなかった世界。そこでは東ドイツは〈再生〉という改革を経て、社会主義国として生き残っていた。2011年10月、東ベルリンの郊外で西側出身の教授が殺される。その手口は廃止されたはずの秘密警察のものだった。おりから経済的窮地を脱する決め手となる東西交渉が始まろうとしている。交渉の障害となることを怖れ、事件を速やかに解決すべく東西合同の捜査が開始される。だが捜査にあたる刑事の前には、不可解な壁が立ちはだかった……あり得たかもしれない世界を舞台に描く、異色のサスペンス。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ばんだねいっぺい
29
東西ドイツがもし統一されなかったらのもしも世界のサスペンス。その世界で、事件を闇へ葬る力を持つのは、あれということで元彼女と失踪した親友への妄執に振り回されながら、捜査のための捜査をする刑事の物語。最後の会話だけ、スカっとしたかなぁ。 2019/09/22
Yuji
6
久し振りの感想となります。本当に面白かったですよ、これが!!大絶賛です。スパイ小説かつ、歴史SFであり、カフカ的不条理小説かと思えば、刑事ドラマのような、類例のないナニカ。妄想とギャグの自分語りがまったくパワフル。描写が重厚でぐいぐいと来ました。(キャッチ22が近いかなあ、敢えて言えば)2021/02/02
みろ
4
東西ドイツが分断したまま21世紀になった世界の東ベルリンで起きた殺人事件の話なんだけど、ヴェーゲナーの別れた女への妄執描写がしつこくて疲れた。再生された東ドイツが車はイマイチでも情報機器や音楽プレイヤーなどは西からも羨まれる製品を作ってるとか、解散したようなしてないようなシュタージの存在などをも少し掘り下げて欲しかった。2016/10/31
H.S
1
所謂ピンチですね2017/09/24
Sally-m
0
もし、東西ドイツが、統一しなかった世界という設定が、興味深かったので、読んでみました。 話が、散乱していて、ちょっと、解かりづらかったです。2017/01/17